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新築、中古の家を買う際に注意すべき“床の素材”。シートフロアがNGな理由

今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに視聴者の心をつかみまくっている。 そんな押村は、「床は安易にシートフローリングを選んではいけない」と力説する。それはいったいなぜなのか? そして、いったいどんなものを選べばいいのか?

近年もっとも主流になっているのがシートフロア

タイル、畳、クッションフロア……家の床にはさまざまな種類があるが、一般的には現在は木の床、つまり木のフローリング材を使った床をイメージする人が多いだろう。「現在は」とあえて限定したのは、過去には別のものが流行っていた時代もあるからだ。 代表的なのがカーペットである。1980年代、カーペットの床が大ブームになった時期が存在した。当時は部屋のなかだけでなく、階段に至るまでカーペットを敷き詰める家もあったほど。 しかし、「カーペットなどの敷きものがアレルギーの原因」と誤った報道がされたことを契機に、ブームは一気に鎮火。そこからフローリングの床が浸透しはじめ、いまに続くフローリング文化が定着していった。現状について、押村は次のように話す。
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木目が美しい挽き板のフローリング

「いま使われているフローリングは大きく4つ。無垢床、挽き板、突き板、シートフロアです。 無垢床は文字通り、天然の無垢材を使ったもの。自然素材なので感触は最高です。しかし、キズがつきやすく、気温によって伸縮して反りが発生する、ケアが大変などという欠点があります。 挽き板は、合板を何枚か重ねたうえに、2mmぐらいの板を張ったもの。つまり、下は合板だけど表面を見ると板になっています。その板の部分を0.3mm程度にさらに薄くしたものが突き板です。挽き板と突き板は、下の合板を重ねた部分が割と硬いため、キズがつきにくくヘコみにくいという特徴があります。 最後にシートフロア。これが近年、一番流行っているものです。マンションであれば、ほぼシートフロアだと思います。中身は、挽き板や突き板と同様に合板を積み重ねたものの上に木の模様を印刷したシートが貼ってあります。挽き板や突き板よりもキズがつきにくいうえに、コストが安く、色柄が安定しているというメリットがあります」
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木の温もりと扱いやすさを兼ねた「挽き板」を選べ
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(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた

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1000軒の家を建ててわかったこと


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