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早大中退の35歳男性が子供部屋を出ない理由「クリエイティブでありたい」――大反響・子供部屋おじさんトップ5

インターネットと自慰行為

Kさん

本棚には、難解な哲学書や海外小説が並ぶ

――何か趣味やストレス解消のような日課はありますか? K:健康には気を遣っていて、毎日近所をジョギングしています。でも、明るいうちは人目がはばかられるので夜に走ってます。  ストレス解消という意味では自慰行為に勝るものはないと思っています。それと、Twitterですね。自慰行為をするとひとまず不機嫌でなくなりますし、Twitterをやっているとなんとなく世間とつながっているような気持ちになれます。これは持論ですが、男の場合はインターネットと自慰行為ができる環境さえあれば、そこまでキツくないと思います。  あと日記を書いてます。日記を書いていると、月日が無駄に流れ去っていくという感覚を少し和らげることができるのでオススメです。 ――大学の同期などを横目で見て何か感じたりしますか? K:友人なんかは「Facebookで出世している同期のタイムラインを見ると心が乱れる」と言っていますが、ぼくは生来、他人のことがあまり気にならない性格なので、あまり「このままではいけない」とか「うらやましい」とか感じないですね。嫉妬の感情が生まれつき無い気がします。

本当は「どこか」へ行きたい

――Kさんは将来に関して不安になることがありますか? K:普段はあまり不安になりません。というのも、向精神薬で不安感を和らげているせいもあるかもしれないのですが。でも、ときどき、特に朝起きた時や夜眠る時にサーっと血が引いたように不安を感じる時があります。  自分の人生これで終わっていくのか、生身の女性と一回も付き合わないままこのまま貧困を抱えて汚い老人になっていくのか、自分が生まれた意味ってなんだったんだろう。全てがむなしくて、もったいないような気がします。 ===  35歳にしては幼げな笑顔をたたえて、実家の最寄駅前にあるマクドナルドに現れたKさん。  困窮した中年男性を事前に想像していた私は、意外にも少年のような瞳をした彼を前にして、軽い肩透かしを食らった。近くで見れば肌や髪の毛の生え際など年相応に老け込んではいるが、いわゆる中年男性のイメージとは少し隔たりがあった。  取材を通じて、一貫として飄々とした態度であった。発想が自由で、合理主義者の面も否定できない。しかし、彼はその無限の自由の中でひとり寂しく空回りしているようにも見えた。 <取材・文/木下陽一>
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