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早大中退の35歳男性が子供部屋を出ない理由「クリエイティブでありたい」――大反響・子供部屋おじさんトップ5

ひきこもるのは合理的判断

Kさん

Kさんの自室にあるMacのPC

――そういう性質は大人になってからも続いたんですか? K:ええ、続きました。それと、思春期になると急にシャイになり本などを読み耽るようになって成績もよくなったんですが、ひとつの場所にジッとしていられない性質は変わらず、早稲田大学に受かっても中退してしまいました。  その後、適当にモラトリアムの期間などを挟みつつ職を転々としたんですが、どれひとつとしてモノにならず、最終的にはパワハラによって心に傷を負って、今に至るまで精神科に通院しています。余談ですが、ぼくは今、障害年金を受給しているひきこもりでもあります。 ――障害年金を受給して子供部屋にひきこもっているいると後ろめたく感じますか? K:感じないですね。自分は障害によって相応にハンデを負っていると感じますし、療養のために子供部屋にひきこもることは合理的な判断だと思います。

「クリエイティブでありたい」

――しかし、ずっと今の状況を続けるということもできないと思います。何か勉強や資格取得の準備などしていますか? K:勉強はいろいろしてみました。ドイツ語を勉強したり、現代思想の本を集めたりしました。しかし、就職につながるような勉強はしていません。なるべく組織の中で揉まれたくないんで、実家にいながら稼げるクリエイティブな職につくことを何度か試みました。  例えば、スマホゲームを開発しようとしたり、イラストレーターになろうとしたり、あと小説家になろうとも思いました。 ――なんだか聞いているとやっていることに一貫性がないように思えますが。 K:そうですね……。でも、やってみないと向いているかどうかも分からないんで、手当たり次第に手をつけているんです。作家の立花隆さんが、「いろいろなことを試しては自分にはできないことを知り、残されたなんとかやれることを職業にする」ということを言っていました。消去法ですね。  あと、とにかくクリエイティブな雰囲気のあるものに惹かれるんです。これは父親の影響かもしれません。 ――その試行錯誤の中で何か可能性は見えてきましたか? K:自分の欠点は作品を完成させないところだと思います。小説も書いていて途中で自己嫌悪になってやめちゃいますし、ゲームもイラストも、「これが自分の作品だ」と胸を張って言えるようなものはありません。 ――もどかしいですね。 K:本当にそうですね。子供部屋というのはプライドの防御壁なのかもしれません。
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インターネットと自慰行為
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