“20年間無職”の子供部屋おじさん、家族の切実な思い――大反響・子供部屋おじさんトップ5
実家に住み続けている「子供部屋おじさん」に大きな反響があった。そこで過去5年取材してきた記事から大反響だったトップ5を発表する。第3位はこちら!(集計期間は2019年1月~2022年12月まで。初公開日2020年4月11日 記事は取材時の状況です)
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中高年のニートや引きこもりが社会問題となって久しい。昨年頃からは「子供部屋おじさん」というキーワードまで誕生。それは、おじさんになっても実家から出ず、子供部屋に住み続けている人を指す。ネットでは嘲笑の対象として使われている言葉だが、筆者のまわりにも意外と多く存在している。
都内の一戸建てに住む会社員の高橋さん(仮名・46歳)には中年ニートの弟がいる。高橋さんは3兄弟で、次男は会社員で現在ひとり暮らし。長男の高橋さんと三男で無職のユウさん(仮名・41歳)が実家で80歳近くの両親と同居している。
筆者がユウさんについてたずねると、高橋さんは堰を切ったように語り始めた。
「ユウは小さい頃は活発でした。しかし、中学生ぐらいから少し変わり始めた気がします。無口で自分からは話さない。こちらから話しかけても小さな声でボソボソと返す程度。
ただ、特に問題があったわけではなく、数学が得意で成績は良かった。大学にも現役で合格し、ゼミの教授から母親に『すごく優秀で良い生徒です。お母さんはどうやって育てられたのですか?』と電話が入ったこともあります」(高橋さん、以下同)
そんな真面目で優秀な青年に異変が起きる。
「大学2年生の時に突然、学校に行かなくなり、結局辞めてしまいました。両親とも話しましたが、本当の理由は今でもよくわかりません」
ユウさんは無口なため、家族でも本心が見えないのだと言う。
とはいえ、彼はいきなりニートになったわけではない。大学を辞めたユウさんは、ボランティア活動を始めた。バングラデシュまで行き、現地では井戸を掘るなど、当時は生き生きとした表情だったという。本人としては有意義な体験だったのだろう。
約20年無職、大学中退から「子供部屋おじさん」になるまで
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