更新日:2023年12月07日 19:35
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“くら寿司ペロペロ男”裁判で明らかになった過去。恋人に売春で生活費を稼がせホテルを転々

捜査の手から逃れるように福岡へ

名古屋地裁

 吉野被告は「オレもホストで稼ごうと思う」と提案したことはあったが、A子が泣いて嫌がったので、A子に援助交際で生活費全般を稼がせ、ホテルを泊まり歩いていた。  その渦中に起きたのがくら寿司ペロペロ事件なのだ。その場にはA子もいた。共犯者の少年もA子と同時期にツイッター(現X)で知り合ったクチで、吉野被告の面白い行動を撮影して、ツイッターに上げる係をしていた。  ネットが大炎上する中、共犯者の少年が2日後に警察に事情聴取され、自分たちに捜査の手が伸びていることを知ると、吉野被告はA子を連れて高速バスで福岡に移動。そこでもA子に援助交際で生活費を稼がせ、逃走資金を作らせていた。  さらに広島に移動し、その後、名古屋に戻ってきたところを待ち構えていた警察に逮捕されたのだ。吉野被告はA子を支配下に置き、営利誘拐した容疑でも再逮捕された。

検挙した愛知県警中署

「女の子は守ってあげないと」

 仮にも交際相手だったA子に売春させ、その金を吸い上げていたことについて、吉野被告は第2回公判で次のように述べている。 「自分がすべて悪いです。逮捕後に考えが変わった。交際相手の女の子は利用するんじゃなくて、守ってあげないといけない。それがはっきり分かっていなかった。A子にはもう会うつもりはありません。自分が人生をメチャクチャにしてしまった。一生干渉するつもりもありません。A子の親御さんにも大切な娘さんを傷つけてしまい、申し訳なく思っています。反省している気持ちを行動で示していきたい」  吉野被告は刑務所や少年院を出た若者たちの就職を支援する企業の一つに就職予定で、現在は塗装工の修行をしているという。だが、くら寿司に対する賠償は何一つしていない。まさにこれからが真価を問われるところだろう。 <取材・文/諸岡宏樹>
ほとんどの週刊誌で執筆経験があるノンフィクションライター。別名義でマンガ原作多数。1969年生まれ。三重県出身。近著に『実録 女の性犯罪事件簿』
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