「一緒に楽になりませんか」の一言に背筋が凍った…“秘境のタクシー”で体験した恐ろしすぎる出来事
秋は旅行の季節ということもあって、予定を立てている人も多いことだろう。ただ場合によっては、旅先で不測の事態に見舞われてしまう場合もある。
鉄鋼メーカーで事務職をしている野中萌さん(仮名・32歳)は、旅の途中で乗ったタクシーで「忘れたくても忘れられないような体験」をしたという。
「自由気ままに行きたいところに行けるのが好きで、年に4回は一人旅に行っています。その時は、秘境にある温泉につかり、景色を楽しむことが目的の旅行でした」
問題は旅行の2日目。きっかけはちょっとした予定の狂いだった。
「温泉に行った後に、景色が美しい渓谷に向かう予定でした。でも、温泉が気持ち良くて、つい長居をしてしまい……。温泉を出た時は夕方近くでバスで行く予定だったのですが、本数が少なくて帰ってこれるか心許ない状態だったので、タクシーを呼ぶことにしたんです」
やってきたタクシーの運転手は、人当たりの良さそうな40代くらいの中年男性だった。
「『一人旅とは良いですねえ。私もそういう旅行がしてみたいもんですよ』なんて気さくに話しかけてくれる運転手さんでした。私が『仕事に疲れて旅行に来たんです』と話すと、『若いのに、ご苦労されているんですねえ』と気遣ってくれました」
目的の渓谷に着くと、他に観光客はおらず、どこか寂しい雰囲気だったという。
「運転手さんが、道に迷うと危ないからって、道案内を買って出てくれました。それで、渓谷を眺められる場所に着いたんですが、運転手さんの様子が少し変でした。柵にもたれかかるようにして、崖の下をじっと覗いているんです。気になりましたけど、こうした場所は見飽きているので、『ただボーッとしているだけなのかも』とも思いました」
野中さんが声をかけると、運転手は一転して笑顔になり、タクシーまで案内してくれた。その後はホテルに戻る予定だったのだが……。
「運転手さんに、『もう一箇所、紹介したい場所があるんですが、行きませんか?』と言われました。そこも綺麗な景色が見える渓谷で、ガイドブックにも載っていない穴場だそうで。せっかくのお誘いですが、あまり旅の予算もなかったので断ると、『お金はいいので』と言われて、メーターを止めてその場所に向かうことに」
人当たりの良さそうなタクシー運転手だったが…
「少し変な様子」に若干の違和感
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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