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炎上した茂木健一郎氏の発言から考える「ジャニーズの音楽」。いま直視すべき“ふたつの真実”とは

性加害は絶対に許されない。だからこそ…

 しかしながら、ここで最大の問題が浮上します。唯一無二の個性を発揮させる眼力を持っていた人物こそが故・ジャニー喜多川氏だったということです。天才プロデューサーであり日本史上最悪の性加害者。どちらが欠けていてもジャニーズの音楽という文化は育たなかったでしょう。その事実が重たいのです。  ジャニー氏の卑劣な行いを批判するために“ジャニーズはニセモノである”と批判するのだとすればあまりにも軽率です。ジャニーズが全く無価値で日本の芸能界にとって害悪だったと蓋をすることもナンセンスです。物事は正確かつ公平に見るべきです。  ジャニーズブランドをなかったことにはできないし、その音楽は少なからず社会に潤いを与えてきました。  しかしその功績によってジャニー喜多川を正当化するわけにはいきません。  人並み外れた眼力を持った最悪の捕食者、ジャニー喜多川氏。  このふたつの事実を直視せずに性加害問題は考えられないのだと思います。 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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