更新日:2023年11月08日 19:55
エンタメ

<漫画>“栄養ドリンク感覚で覚醒剤を打つ”人も…「西成に潜入した記者」が感じた一般社会とのギャップ

「コンプラ度外視の作品」を目指したい

漫画では、こうした“訳アリ”な人間が流れ着く西成の人間模様や、過酷な現場の様子が、そのまま再現されていると続ける。 「僕が『ルポ西成』を書いた当時は、まだライター駆け出しの頃。だからこそ結果的に、コンプラを気にせず現地の様子を盛り込むことができました。この『西成ユートピア』でも、僕は内容にほぼ口出ししていないので、リアルな西成が再現されています。 今となっては、西成も観光地としての側面が色濃く現れるようになりましたが、現地の生活者の内情は変わらない。今年の春に西成を訪れた際も、漫画に登場する取材に協力してくれたおっちゃんと再会しましたが、2018年当時の生活を続けていました。 確かに飯場のロビーには、ハロウィンの飾り付けがしてあったり、漫画コーナーが設置されていたりと、観光向けになっている部分もありますが、それはあくまでも表面的な変化。観光客が物珍しさで泊まっている部屋の隣では、きっと今でも日雇い労働者が覚醒剤を使用していることだってあるでしょう。 そうした西成に流れ着いた人たちの生き様が、この『西成ユートピア』では随所に感じることができると思います」 <取材・文/佐藤隼秀>
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次ページより『西成ユートピア』第一話&第二話を特別に公開
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1995年生まれ。大学卒業後、競馬会社の編集部に半年ほど勤め、その後フリーランスに。趣味は飲み歩き・散歩・読書・競馬

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