自己啓発の本場・アメリカの売れ筋ビジネス本とは?
ビジネス本ブームの日本。己を鼓舞してくれたり疲れたココロを名言で癒してくれたり、サラリーマンのいかなる悩みも受け止める充実っぷりである。が、裏返せば、現状への不満不安の表れでは? 世界各国、ビジネス本の売れ筋を見れば、その国の経済や社会、文化が見えてくる!
【アメリカ】自己啓発本のルーツの国。王道は“習慣”もの
あるアメリカ人ビジネスマン曰く、「僕はビジネス本って読まないんです。スキルは自分の経験値で積んでいくしかない。本はみんなのための方法が書かれているかもしれないけど、それが自分のための方法とは限らないから」。
正論ではある。が、日本のビジネス本ベストセラーに多数ランクインしているのはアメリカの翻訳モノ。さらに言えば、自己啓発のルーツは’70年代にアメリカで誕生したセミナーで、ここで唱えられた「思ったことは実現する」というポジティブ・シンキングが、’90年代の社会不安の高まりを背景に広まり自己啓発本ブームが発生、それが’90年代末に日本にやってきて……。ビジネス本の本場はいろんな意味でアメリカだったりするのだ。
さてその本家での最新ランキングである。いまだ『7つの習慣』が全世界で売れていていて、“習慣”モノは鉄板なのか、『習慣の力(The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business)』が一番の売れ筋。
この本では習慣にまつわる一連の行動を「きっかけ」「習慣」「報酬」「欲求」の4つの要素に分けて分析。きっかけとご褒美を習慣に結び付けるように消費者に刷り込めば製品を継続的に使ってもらえるといった内容で、マーケティング関係の人にもウケているよう。
⇒【後編】に続く https://nikkan-spa.jp/195277
アメリカの成功本も「脳」ブーム
●『習慣の力~なぜ私たちはそれをしてしまうのか?』
(The Power of Habit : Why We Do What We Do in Life and Business)
「習慣」が私たちの生活においていかに重要か、悪習を変えるにはどうすべきか。間食やギャンブルなど身近な事例を見ながら、習慣がおこる理由を分析、それを変える方法を解説。さらに、消費者に特定の製品の使用を習慣化させるなど、ビジネスへの応用まで発展させて語る
※本のタイトルは邦訳が出版されているものは邦訳のタイトルを。そうでないものは、編集部がタイトルを訳しました
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