アメリカの成功本も「脳」ブーム
ビジネス本ブームの日本。己を鼓舞してくれたり疲れたココロを名言で癒してくれたり、サラリーマンのいかなる悩みも受け止める充実っぷりである。が、裏返せば、現状への不満不安の表れでは? 世界各国、ビジネス本の売れ筋を見れば、その国の経済や社会、文化が見えてくる!
【アメリカ】自己啓発本のルーツの国。王道は“習慣”もの<後編>
⇒【前編】はこちら https://nikkan-spa.jp/195276
自己啓発の本場・アメリカの売れ筋ビジネス本とは?
「クリエイティブとかイマジネーションとかがキーワードなのかな」とは、サンフランシスコ在住の日本人ビジネスマン。
科学的な根拠に基づくものも支持されるようで、『才能(じぶん)の見つけ方(StrengthsFinder 2.0)』は、弱点を探して補うより強みを伸ばせというものなのだが、それは「人の脳は得意なことを伸ばす方向にはよく働くが、弱点の克服は苦手」という脳科学に基づく理論。
また、『想像せよ。クリエイティビティはいかに働くか(Imagine: How Creativity Works)』は、人の脳が創造的に働くメカニズムを、脳科学の研究成果と身近なヒット商品の誕生物語から考察する。
ここで紹介した本は日本でも翻訳される可能性は高い。今のうちに原書で読んでおけば、一歩先んじられるが……苦手なことは脳も苦手らしいからご無理はせずに。
●『才能(じぶん)の見つけ方』
(StrengthsFinder 2.0)
弱点を補うことに苦心するのは労力の無駄であり、強みをひたすら伸ばすことがビジネスの成功への近道――。連動するウェブで自分の強みについて診断テストが受けられる。自省よりも前進を重要視するのはいかにもアメリカっぽいが、同書の前身『さあ、才能に目覚めよう』は勝間和代氏も推薦。日本でベストセラーとなっている
●『THINKING~速考と遅考~』
(Thinking, Fast and Slow)
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者で行動経済学者ダニエル・カーネマン博士の本。人間が脳で考えるときには「ファストシンキング」「スローシンキング」という2つのプロセスがあり、前者は直感や反射と呼ばれるもので、後者は論理や分析。この2つをうまく利用することが大切である――というお話
※本のタイトルは邦訳が出版されているものは邦訳のタイトルを。そうでないものは、編集部がタイトルを訳しました
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