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飲食店が頭を悩ます“常連の迷惑客”の存在。口コミサイトの評価はだだ下がり

お酒が入ると豹変する“迷惑な常連客”

鮨 寿司屋で働いていた鈴木美穂さん(仮名・20代)は、酒が入ると豹変してしまう困った男性客に遭遇した。彼の第一印象は決して悪くなかったという。 「店内に他のお客様はおらず、その方だけがカウンターに座っていました。60代後半に見える白髪頭のその男性は、にこやかで感じよく見えました。しかし、お酒が入ってからは……」  店の奥で作業していた鈴木さんだったが、しばらくすると、店内が騒がしいことに気づいた。 「暖簾(のれん)をくぐろうとしたとき、ひときわ大きな叫び声が聞こえて、一瞬ビクリとしました。誰かが怒鳴り散らしていたのです」  カウンターを見た鈴木さんは驚愕した。 「先程まではにこやかだったあのお客様が、真っ赤な顔で椅子の上に片ひざを立てて座っていました。カウンターの中にいる職人さんに何やら大きな声を発していたんです」

レビューは低評価「うるさい常連がいる店」と書かれて…

 鈴木さんはワケがわからなかったが、「あの人に会ったのは初めて? 悪い人じゃないんだけどね……」と困り顔で事情を話してくれたのはベテランのパート女性。  その男性客は酒が入ると、とんでもない大声で喋り出して周囲を驚かせるという。 「怒っているのではなく、ただただ声が大きいんです。同じことを何度も繰り返したり、内容も支離滅裂だったり。お酒が強くないのにすぐ飲みすぎるそうで、お酒を出さないわけにもいかないし、そろそろ止めた方が……と言っても聞かないし」  店としても対応に苦慮していたそうだ。しかも他の客がいても同様のようで。 「他のお客様のご迷惑になりますので」とお願いすると「すまんすまん」とおとなしくなるのだが、数分後には元通りになってしまう。 「夜の時間帯、店内にお客様が少ないなと感じることが増えていました。なんかおかしいと思っていたら、口コミサイトに“うるさい常連がカウンターで騒いでいる店”と書かれていて思わず絶句。レビューも低評価になっていました……その方に悪気がないにせよ、売り上げにも影響まで出てくると、もはや“迷惑客”と言えるのかもしれません」  鈴木さんは「料理の味もお店の雰囲気も評判のお店だっただけに、とてももったいない出来事でした」と振り返った。  馴染みの店で気兼ねなく酒を飲み、楽しむのは大いに結構だが、酔っぱらいすぎて迷惑客にならないように注意が必要だ。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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