テレビ東京 1作品
『
ハイエナ』(金曜午後8時)
主演・篠原涼子(50)、山崎育三郎(37)、脚本・佐藤嗣麻子
2020年に韓国で大ヒットしたドラマのリメイク。勝つためなら手段を選ばないハイエナのような弁護士・結希凛子(篠原)と、超エリート弁護士・一条怜(山崎)がライバル関係になり、お互いの勝利に向けて突き進む。オリジナル版は韓流ドラマだが、映像の質感はヨーロッパ映画的。全体的に洒落ている。
採点★★★
『
ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(月曜午後9時)
主演・二宮和也(40)、中谷美紀(47)、大沢たかお(55)、脚本・徳永友一
12月24日の1日を1クール(3カ月)かけて描く。主人公は3人。銃撃事件の容疑者として警察に追われている記憶喪失の男・勝呂寺誠司(二宮)、この事件を追うローカルテレビの報道キャスター・倉内桔梗(中谷)、勝呂寺が逃走中に侵入した老舗レストランのシェフ・立葵時生(大沢)である。
異色の構成なので少し分かりにくい。3人の登場シーンの空気感が違うのは意図的にそうしたのだろうが、これもやや戸惑わせる。
採点★★★
『
トクメイ!警視庁特別会計係』(月曜午後10時)
主演・橋本環奈(24)、脚本・荒木哉仁ほか。
経費削減の特命を背負って警視庁から万町署警務課特別会計係に異動してきた一円(はじめ・まどか、橋本)が主人公。刑事たちの反感を買いながら節約を唱え、同時に事件を解決へ導く。一円と昔気質の刑事・湯川哲郎(沢村一樹)の激突が愉快。
採点★★
『
パリピ孔明』(水曜午後10時)
主演・向井理(41)、脚本・根本ノンジ
中国の三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井)が現代の東京・渋谷に転生。アマチュアシンガー・月見英子(上白石萌歌)のマネージメントを手掛け、彼女を表舞台に導くサクセスストーリー。荒唐無稽な設定だが、ストーリーの構成と流れが良いので、孔明たちの世界に違和感なく入り込める。Adieuの名前でアーチスト活動もしている上白石はハマり役だ。
採点★★★
『
いちばんすきな花』(木曜午後10時)
主演・多部未華子(34)、松下洸平(36)、今田美桜(26)、神尾楓珠(24)、脚本・生方美久
テーマは「男女の間に友情は成立するのか?」。学習塾講師の潮ゆくえ(多部)には気の許せる男友達・赤田鼓太郎(仲野太賀)がいたが、結婚が決まった赤田から別離を告げられる。傷心した潮はその後、出版社勤務の春木椿(松下)、美容師の深雪夜々(今田)、コンビニで働きながらイラストレーターを目指している佐藤紅葉(神尾)と出会う。4人の間に生まれるのは友情か、それとも愛情か。作家性がかなり強いドラマであることから、熱烈な支持者と苦手な人に二分されそう。
採点★★★
『
うちの弁護士は手がかかる』(金曜午後9時)
主演・ムロツヨシ(47)、脚本・服部隆ほか
家族そろって観られるコミカルなリーガルドラマ。ウィットに富んだジョークが随所に散りばめられ、映像も美しい。視聴者へのサービス精神に満ちている。
主人公は蔵前勉(ムロ)。人気女優・笠原梨乃(吉瀬美智子)のマネージャーを30年務めていたが、クビになる。途方に暮れた蔵前を雇ってくれたのは「香澄法律事務所」。新人弁護士・天野杏(平手友梨奈)のパラリーガル役を任された。だが、天野は手がかかる。頭がいいのだが、社会性はゼロ。おまけにビックリするほど自分勝手で気が強い。蔵前はお守りに苦労する。平手は天野に成りきっている。女優になってからのベストプレイではないか。
評価★★★★
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員