更新日:2023年11月23日 23:30
スポーツ

普段の競輪では見られないドラマも…「競輪祭」の注目ポイントを元ガールズ女王が解説

 ガールズケイリンの人気筆頭格として、1つの時代を牽引してきた高木真備さんに、競輪にまつわる話を語っていただく連載企画。高木さんは一昨年の末に開催された「オッズパーク杯 ガールズケイリングランプリ2021」で見事に優勝。年間賞金女王の称号を獲得し、「やり切った!」という気持ちで昨年5月に選手を引退。現在は保護犬・保護猫活動を行っている。  そんな高木さんに元ガールズケイリン選手としての様々な裏話を聞いていく当連載企画。現在開催されている「競輪祭」についての話を聞いた。

グランプリ出場者が決まる「競輪祭」の重要性

高木真備さん

元ガールズケイリン選手の高木真備さん 
提供:公益財団法人JKA

 11月21日より開催されている「朝日新聞社杯 競輪祭GⅠ」。現在、ガールズグランプリの出場が決まっているのは、6月に開催された「G1 パールカップ」で優勝した児玉碧衣選手、そして10月に開催された「G1 オールガールズクラシック」で優勝した佐藤水菜選手の2名。競輪祭開催前の時点で賞金ランキング1位の久米詩選手も出場濃厚といえる状況だ。  そして競輪祭で開催されている「第1回競輪祭女子王座戦」で優勝した選手は、問答無用でグランプリ出場が決まる。すでに出場が決定している児玉選手か佐藤選手が優勝した場合は残り5枠、他の選手が優勝した場合は残り4枠が賞金ランキング上位選手に出場権が与えられ、競輪祭終了後にグランプリに出場する7人が決定。  賞金ランキング上位選手は賞金争いの最後の戦い、ランキングに入っていない選手は下剋上を狙う戦いが繰り広げられる競輪祭。高木さんは過去に4回競輪祭に出走しているが、グランプリ出場が「決定している・ボーダーライン争い・優勝しないと出場できない」の3パターンとも経験しているとのこと。その3パターン別に、競輪祭に出場する選手の心理を聞いてみた。

グランプリ出場が決まっているパターン

 まずは、グランプリ出場が決まっているパターンについて。競輪祭はグランプリの切符をかけた最後の戦いに挑む選手が多いが、すでに決まっている選手はどういった心境なのだろうか。 「グランプリ出場が決まっていても、もちろん負けたくないです。ただボーダーギリギリで戦っている人の方がモチベーションが高まっているのは間違いないかなと。一年間賞金争いで戦い続けてきてグランプリ出場が決まったら、どうしても一度少し落ち着いてしまうので、モチベーションを高めていくことは少し難しかったですね」  グランプリの切符をすでに掴んでいる選手は、モチベーションを高めていくことは難しいと語る高木さん。「その状況でどのような戦い方をするか注目したいです」と話した。 「ギリギリの戦いをしている時には新しい道具や戦法を試すことは勇気がいると思いますが、グランプリ出場が決まっている人なら思い切って試すこともできます。でも競輪祭が開催される小倉競輪場は屋内の特殊なバンクなので、グランプリを想定して試せるわけではありませんでした。屋外の400バンクなら完全な“仮想グランプリ”として試せますが、屋内だと走った感覚が違う部分もあったり……。この機会をどのように活用するかは選手次第だと思います」
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ボーダーライン上の熾烈な争い
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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