更新日:2023年11月23日 23:30
スポーツ

普段の競輪では見られないドラマも…「競輪祭」の注目ポイントを元ガールズ女王が解説

ボーダーライン上の争い

高木真備さん

残りのグランプリ出場権を手にするのはどの選手になるのか… 
提供:公益財団法人JKA

 そして、ファンとしても見逃せないボーダーライン上の争いも繰り広げられる。競輪祭開催前時点でのガールズケイリン賞金ランキングは、6位の坂口楓華選手と7位の小林莉子選手の差が200万円以上あり、決定している児玉選手を除いた上位5人は、かなり有利な状況といえるだろう。しかし、賞金ランキング7位以下の選手(佐藤選手を除く)が優勝した場合は、賞金ランキングでの出場枠が1つ減るため、52万円差に4人がひしめく熾烈な争いとなる。  このボーダーライン上の戦いは、自分が必要になる順位を頭に入れて出走する選手が多いようだ。 「最終日まで争っていた場合は、『誰が何着になったら自分が何着にならないといけない』といった計算をします。自分でも計算しますが、記者さんが全部教えてくれるので、その情報を頭に入れて走りました。でも『そういうのを気にして走りたくない』ということで、記者さんからの情報を聞かないようにしている選手もいましたね。ちなみに賞金ランキングのボーダーは1万円差くらいだったときもあるので、順位1つの差も見逃せないのは競輪祭ならではかなと思います」

優勝しないとグランプリ出場できない選手の心理

 そして、賞金ランキングのボーダーには届かないことが確定している選手でも、優勝してグランプリ出場権獲得を狙っている選手も多い。グランプリ出場するためには「優勝するしかない」という状況の選手は、どういったモチベーションで競輪祭に挑むのだろうか。 「私がこのパターンで挑んだのが2019年の競輪祭でした。もう優勝するしかないので、この年が一番吹っ切れていて逆に緊張はなかったです。結局、決勝3着で優勝できず、緊張から解放されて『これで一年が終わったんだ……』という気持ちになり、自然と涙が出てきましたね」
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競輪祭で注目したい3つのポイント
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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