更新日:2023年11月22日 16:58
スポーツ

元ガールズ女王が語る「競輪選手時代の過酷な練習」。‟足が太いだけでは勝てない”理由

 ガールズケイリンの人気筆頭格として、1つの時代を牽引してきた高木真備さんに、競輪にまつわる話を語っていただく連載企画。高木さんは一昨年の末に開催された「オッズパーク杯 ガールズケイリングランプリ2021」で見事に優勝。年間賞金女王の称号を獲得し、「やり切った!」という気持ちで昨年5月に選手を引退。現在は保護犬・保護猫活動を行っている。  そんな高木さんに元ガールズケイリン選手としての様々な裏話を聞いていく当連載企画。バイク誘導や街道練習などについて語ってもらった前回に引き続き、今回は「現役時代の練習」などについての話を聞いた。

競輪選手は「足の太さ」が注目されがちだが…

高木真備さん

現役時代の高木真備さん。「パワーマックスという固定された器具で、写真を撮ってもらいながらフォームの確認をして、上半身の保持力と筋肉の使い方を練習していました」とのこと

 ガールズケイリンのポスターには、数年前まで「顔より太もも。」というキャッチコピーが載っていた。ガールズケイリン選手の太ももの平均は59.7cmで、一般女性の平均からは約8cmも太いため、足のたくましさに注目されることが多い。  もちろん足のトレーニングは日々行っているだろうが、「足だけ鍛えていても自転車を速く漕げるようにはならないんです」と高木さんは話す。
高木真備さん

現役時代、自宅で体幹トレーニングをする高木真備さん

「競輪選手は足を鍛えていると思われがちですが、体幹のトレーニングも重要です。特に女性は男性に比べて上半身の筋力がつきにくいことも多いので、上半身のトレーニングが大事になります。自転車を漕いでいるときの姿勢は前傾なので、自分の身体を支えられないと足にどれだけパワーがあってもスピードを出せないんです。私も最初は足ばかりを鍛えて上半身はあまり鍛えていませんでしたが、上半身もしっかり鍛えるようになったことで持っているパワーを出せるようになりました」

筋肉をつけるためのトレーニングではない

 競輪選手は足を太くするためのトレーニングを行っているのではなく、自転車を速く漕ぐためのトレーニングをした結果、足が太くなっている選手が多いということ。ただ筋肉をつけるだけでは重くなってしまうため、トレーニング方法も重要だという。 「ウエイトトレーニングをやるにしても、指導してもらっていた方から『自転車に繋がるウエイトをした方がいいよ』と言われていました。例えばボディビルダーを目指す人なら、ムキムキになって見せる筋肉をつけることが目的だと思いますが、私たちは自転車を早く漕ぐことが目的であって、ちゃんと目的に合ったトレーニングをしなくてはいけないんです。ただ筋肉をつけるだけでは重くなってしまうだけなので、自転車の姿勢に近づけたウエイトをやっていました。その姿勢でトレーニングできるようになるのに何年もかかりましたね」
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体幹を鍛えないと真っ直ぐ走れない
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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