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近所の優しいお婆さんが豹変、“泥沼金銭トラブル”に。息子に「絶縁され帰る家がなくなる」まで

“第二のお母さん”呼ばわり…頻繁に家に招くように

 しかし、梅田さんが微笑ましく眺める日々は長く続かなかった。荻野さんの来訪ペースがみるみるうちに増えたのである。当初は週に1回程度の自宅お茶会が、たちまちに週2、3回開催となるのはおろか、瞬く間に梅田さんの休日にまで侵食した。 「気がつけば2人だけの時間すらなくなっていました。とはいっても、荻野さんが強引に上がり込んでくるのではなく、結衣が自ら望んで招いていたんです。家に呼ぶ回数を減らしてと頼んでも、『荻野さんは第二のお母さんだと思っている。それなのに呼ぶなっていうの?』と聞き入れてくれなくて……」  悲しいかな、状況はさらなる悪化を見せる。梅田さんの心労に比例するようにして、結衣さんの言動は怪しくなっていった。 「彼女からなじられることが多くなりました。『稼ぎが少ない』とか『結婚式を挙げるためにはもっとお金が必要』とか、おもに金銭面について。イラつきましたが、結婚資金を予定通りに貯められていないのは事実だったんです。それで、休みの日に軽作業のアルバイトを始めることにしました」

なぜか「貯金が減っていた」

 結婚を思えばこそ、今こそ踏ん張りどきである——。と、甲斐甲斐しい梅田さんの心を折る出来事が発生する。 「久しぶりに通帳を見ると、バイトを始める前よりも貯金が減っていたんです。なんなら上京前の貯金までなくなっていました。もちろん結婚資金のためのバイトですから、変わらず質素な生活ぶりです。安いスーパーで食材を買って自炊して、服は安い量販店でたまに買うぐらいの。友人もいないので飲みにも行ってませんでした」  首を傾げつつカードの利用履歴を確認すると、不可解な名目がズラリ。 「飲食費やデパートの婦人服の購入履歴がびっしりと並んでいました。結衣に問いただしたところ、やはりと言うべきか、元凶は“荻野さん”。服を買ってあげたり、外食した時の代金を奢っているとのことでした。『結婚するために貯めた金だろ!』と怒ると、彼女も『もう奢ったりしない』と、さすがに反省した面持ちでしたから、一度は水に流すことにしたんです」
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「もう家に来ないでほしい」と伝えたところ…
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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