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近所の優しいお婆さんが豹変、“泥沼金銭トラブル”に。息子に「絶縁され帰る家がなくなる」まで

絶縁されて帰る家がなくなってしまった

 しかし「この親にしてこの子あり」の言葉もある。鵜呑みにするつもりはなかった梅田さんだが……。 「同類でなくたって、息子さん自身が説き伏せられてしまう可能性もあるわけですから。でもその後、荻野さんから『3人で暮らそう』と持ちかけられたんです。絶縁は本気の代物で、帰る家もなくなったようでした。案の定、結衣は3人で暮らすことに乗り気でしたけど、息子さんに背中を押されましたね。キッパリ断ることができたんです」  それでもしばらくの間は、梅田さん宅のドアを叩きながら「中に入れてほしい」と懇願する荻野さんの姿はあった。しかし絶縁がよほど堪えたのか、かつての執着ぶりは嘘のようにあっさり見かけなくなったそう。 「しかも後日、息子さん経由でキッチリ返金していただけたんです。もし家族の方に助けてもらえなかったら……考えると恐ろしいですね。取り返しのつかないことになっていたかもしれません」  結衣さんの洗脳も無事に解け、戻ってきたお金で再出発ができた梅田さんカップル。晴れて結婚し、2人の子宝にも恵まれた彼の言葉は、深長そのものである。  怪しい宗教やマルチ、あるいは悪徳ホストでなくとも、寂しさにつけ込む輩は身近に潜んでいる。そしてまた、騙す側の出発点にも“孤独感”があるのだろう。被害者、そして加害者を生み出さないために、世代を超えた交流が活性化されていくことを願う。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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