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近所の優しいお婆さんが豹変、“泥沼金銭トラブル”に。息子に「絶縁され帰る家がなくなる」まで

「もう家に来ないでほしい」と伝えたところ…

 だが、結衣さんに巣食う「第二の母」の根はあまりに深かった。 「事態が発覚したあとも、結衣は荻野さんに奢ることをやめられなかったんです。私がいくら怒っても、『これは人生相談に乗ってもらっているお礼だ』と正当化。毎日話しても埒があきませんでした」  梅田さんの説得むなしく、結衣さんの依存心は加速していくばかり。 「ついには、荻野さんの許可がないとなにもできなくなってしまったんです。お昼や夕飯に食べるものまで、荻野さんに聞く始末。なににつけても『荻野さんに聞かないと』って……怖くないですか? 洗脳を疑い始めました」  豹変してしまった大切なパートナーを救うべく、梅田さんは真っ向対決に臨んだ。 「荻野さんに『もう家に来ないでほしい』と話しました。すると、『こっちは人生相談に乗ってやっているのになにを偉そうに!』と、怒涛の勢いでブチギレられました。東京から出てきてホームシックに陥っている結衣にとって、いかに自分が必要な存在であるかをこんこんと力説するんです。彼女に寄る辺がないのは事実ですし、私だけで寂しさを埋めてあげられない不甲斐なさもあって、その場ではつい納得してしまいました」

家族に相談したら息子が助け舟を出してくれ…

 それでも違和感は残る。 「いくら彼女が寂しがっているとはいえ、お金が絡む理由にはなりませんよね。なので何度も荻野さんにそう伝えるのですが……年の功なのかめっぽう口が立つんです。追及しては言い包められてのサイクル。これをずっと繰り返していました」  悪夢のような膠着状態を破ったのは、なんと消費者金融からの督促状。結衣さんの貢ぎ癖は止まるところを知らなかった。 「いよいよたまりかねて、荻野さんの家族を突撃したんです。ダメ元でしたが、息子さんからそれは丁寧に謝罪されました。というのも常習犯で、詐欺で告訴されたことすらあるのだとか。同じような金銭トラブルをほかのご近所さんや知人相手にも、幾度となく起こしてきたそうです。次があれば絶縁も辞さないと言い渡していたという息子さんの、『後はお任せいただけませんか』。その言葉を信じて待つことにしました」
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絶縁されて帰る家がなくなってしまった
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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