紘汰さん（33歳・仮名）も地方出身で、都内でバリバリ働くエリートだが、今年の帰省でひと悶着あったようだ。 「男子校時代の仲間6人で数年ぶりに集まったんです。実家に帰るよりもこの会が楽しみでした。でも僕以外は全員結婚しているので、終始『独身はいいよな、気楽だよな』『ローンがきつい』って話ばかりでした」 　いつまでも同じような会話にウンザリした紘汰さん。転職のアドバイスをしたり、副業やリスクの少ない投資の話をしたという。すると——。 「彼らはたいして内容も聞かないのに『できるわけない！』の1点ばり。給料が少ないし、嫁がパートはしない、ローンがつらい、教育費がきついっていうから、それなら解決するには転職かほかに収入源を増やすしかない。かなり的確なアドバイスをしたつもりですが『東京とは違う』で終了。愚痴を言うだけでは何も解決しないのに」 　とはいえ、年に1回会えるか会えないかの友人。紘汰さんは、これ以上場の空気を悪くしても仕方ないと「余計なこと言ってごめんな」と頭を下げた。 　その後は昔話などで盛り上がり、いいムードだった。だが、会計のときに事件が起こる。