ライフ

“あおり運転”をしたスポーツカーの運転手が、大型トラックの“仕返し”に意気消沈するまで

狭い山道であおり運転に遭遇!

スポーツカー 地方で介護の仕事をしている麻生良夫さん(仮名・30代)。休日は山奥の温泉に行ったり、ドライブをしたりする日々を送っていた。  そんなある日、山道を車で走っていると、その近辺ではあまり見かけない真っ赤なスポーツカーが現れたという。 「かなりの速度で走っていて、私の車を追い抜こうとしていました。しかし、対向車が来ると避けられない狭い山道だったため、なかなか抜かすことができなかったんです。すると、運転手はイライラしたのか、後ろで何度もパッシングをしてきたんです」  ニュースではよく目にしていたが、実際に自分があおり運転に遭遇するとは思わなかったと語る麻生さん。  スポーツカーは、再び速度を上げて追い抜こうとするが、対向車が来て慌てて急ブレーキを繰り返す。それが5分~10分程度続いたあと、しびれを切らした運転手が……。

抜き去るスポーツカーに起こった悲劇

「窓から顔を出し、『ちんたら走ってんじゃねえ!』『どけよ!』と怒鳴っていました。退避エリアもなく、私はどうすることもできなかったので、ただ大通りに出るのを待つしかありませんでした」  走行している道に落石や崩れた道があると知っていたため、速度を上げることはできなかったとのこと。しばらくすると道が開けてきた。運転手は爆音とともに速度を上げると、麻生さんを睨みながら抜き去っていったという。  しかし、その数秒後、驚きの光景が目に入った。 「前日は一日中雨が降り、山道もぬかるんだ場所が多かったんです。あおってきた車は大量の雨を吸った落ち葉の上を走っていました。しかも、運の悪いことにあたりの落ち葉はすべて“イチョウの葉”でした。イチョウの葉って乾いていても滑りやすいんですよね」  それを知らない運転手。大量のイチョウの葉の上でスリップすると、一瞬で姿を消した。なんと、そのまま崖から落ちてしまったのだ……。 「車を止めて崖の下の様子を見に行くと、石や木にぶつかってボコボコになったスポーツカーがありました。私はすぐに警察に連絡しました」  運転手は20代の若い男で、麻生さんの車に残っていたドライブレコーダーの映像により、事情聴取を受けることになった。男はあおり運転をしただけでなく、父親の車を勝手に乗り回していたようで、迎えに来た父親に怒鳴り散らされていたとのことだ。  幸い、運転手の男性はかすり傷程度で済んだが、運が悪ければ、命も奪われるような大事故にもつながっていただろう。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ