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“実力派コント師”ゾフィー、解散の理由は本当に「酒と女」なのか。経緯と真相を本人に直撃

解散に至った“本当の理由”

――上田さんやマネージャーさんの他に、仲の良い芸人さんからも説得されたそうですが、心は全く動かなかったですか? サイトウ:確かに一瞬は動きました。ですが、コントに対してストイックすぎる上田に僕はついていけない状態だったので……。お酒を抜きにしても、コンビ間の関係性がそもそも良くなかったんです。 ――上田さんも解散発表後、ラジオで「方向性の違いがあった」という話をしていますね。 サイトウ:ネタは全部上田が書いていることもあって、僕からの熱量が伝わりづらかったんだと思います。真剣に取り組んでいるつもりでも、上田にしてみると「全然必死さが足りない」と感じていたみたいです。ネタについて文句や意見も言わずにきたので、関係性が悪くなっていったのは僕のせいだと思っています。 ――お酒や女性の問題以上に大きな理由だったということですか? サイトウ:そうですね。上田は話し合いの場に「継続と解散の選択肢」を半々くらいの気持ちで来たと思いますし、僕は9:1で解散という思いで臨んでいましたので。

解散は「後悔していない」

――解散発表後、X(旧Twitter)に「これからは居酒屋おじさんとして生きていきます」と投稿されています。これまでお笑いと並行してやってきた居酒屋経営に尽力されるという決意かと思いますが、解散に後悔はありませんか? サイトウ:全くありませんね。唯一挙げるとすれば、居酒屋で働いている時にお客さんから「もしかしてゾフィーの齋藤さんですか? 好きなんですよ」と言われることがちょくちょくありました。自分は全く人気がないと思っていたんですが、その度に「あ、ゾフィーって意外とファンがいるんだな」と実感しまして。そういったファンの方のことを考えると申し訳ない気持ちが浮かぶものの、基本的には後悔はしていません。 ――芸人として売れてからも続けてきた居酒屋経営。楽しさや魅力はなんですか? サイトウ:僕は知らない人と話すのが好きなんですよ。今まで出会ったことのない価値観に出会えるのが良いですね。響くかどうかは別にして「そういう考え方があるんだ」と思えるのが楽しいんですよ。居酒屋にはいろんな人が来ますから。 ――逆に苦労をお伺いできますか? サイトウ:僕と従業員が目指しているところの行き違いで苦労したことはありますね。 ――ゾフィーの解散理由にもなった、お店に対する熱量や求めるレベル感の違いですか? サイトウ:まさにそこですね。熱量があっても、向いている方向が違ったりするということもあって……。擦り合わせをするのは大変です。 ――「経営者と従業員」の場合、お笑いコンビとは違った関係性になりますね。 サイトウ:うちは社員とアルバイトを合わせて30人近くの従業員がいます。雇っている以上は彼らを食わせていかないといけないので、思い切った策に出にくいという部分もあります。注目を集められそうなアイデアがあっても「怖いな」と思って二の足を踏んでしまうなんてことはザラにあります。
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フリーのピン芸人として活動予定も、一抹の不安が…
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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