更新日:2024年01月30日 08:57
恋愛・結婚

「自分と息子の分」しか料理を作らない妻に募る不満…それでも仮面夫婦を続けざるを得ない理由

息子が社会人になるまでは離婚はしない

家庭内別居

冷え切った関係が続いても、妻は決して離婚に応じようとしない

 であれば当然、秋山氏の実家に帰省するときもこんな感じだ。 「私は『無理しなくて良いよ』というのですが、妻は帰省についてきます。うちの両親や親戚と妻は話しますが、私との会話はゼロです。みんな気づいていますが、触れてはきません。もう何年もこんな状態なので、『夫婦関係大丈夫かな』と思っているでしょうね」  早々に頓挫する理想の家族像。秋山氏はいま、何を思うのか。 「結婚の準備の段階でいろいろな人への報告をして、祝福をいただいたりしているので、違和感があっても『やめた!』と言えなかったのが一番の敗因でしょうね。動き出したものを止めるのは、思った以上に勇気がいることです。私はできませんでした。妻は少なくとも息子が社会人になるまでは離婚はしないと言っています。気が遠くなる話ですよね」  愛情で結ばれることで重大な意味をもつ婚姻も、冷めれば途方もない足枷でしかない。良いパパを演じながら、自分の人生も諦めないのだと秋山氏は決意を静かに語った。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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