更新日:2024年01月26日 11:00
ライフ

「わかりやすい弱者には優しいのに…」高学歴なのに苦しむ“難民”たちの辛い現実

生きていくなかでもっとも虚しいのは…

――最後に、犯罪加害者家族や高学歴難民といった人々が抱える苦悩について、阿部さんが思うところを教えてください。 阿部:人間が生きていくなかでもっとも虚しいのは、役割がないことだと思います。よく貧困が可哀想などといわれますが、仮にそのなかで誰かと連帯して助け合っていけるのであれば、貧しいことそれだけで同情される要因にはならないと思います。さらに悲しいのは、社会から無視され続けることです。仮に学歴があっても、特技を活かす場所が社会になくて誰からも存在を認めてもらえない人はいます。そうした人々の声に耳を傾け、苦悩に向き合っていけたらと思っています。 ===== “持つ者”か“持たざる者”か。安易に両極端な二択を持ち出せば、世の中の正確な姿を推し量ることは到底難しいだろう。”持っているようにみえて、持っていない者”の嘆きを認識し、解決していく本気が社会にないならば、この閉塞感は打破できない。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ