「男女の間に友情は成立するのか?」問題には、絶対に答えが出ないと断言する“たった1つ”の理由
こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
筆者はLINE公式サービスにて、年間約1000件のペースでチャット恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。
2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。
いきなり結論から言いますと、
<「男女の友情」の“定義”を統一することはほぼ不可能だから>
ということになります。
この議論をしている多くの人たちは、たいてい“「男女の友情」が成立したと認定する条件”や“不成立となる条件”を、明確に決めないままディスカッションしてしまっているのです。
ここで一例を挙げましょう。筆者の知人に経験人数至上主義のナンパ師がおり、大真面目にこんなことを語っていました。
「男女の友情は成立する。実際、俺は女友達も多い。俺は1回でもカラダの関係を持てばその女に性的興味がなくなるタイプだから、その後は下心抜きでフラットな人間関係を築いていけるから」
要するに、カラダの関係を持った後に性差を越えた友情が結べる、という持論です。
ですが多くの人は、このナンパ師の「男女の友情」は認めないでしょう。それはきっと、一度でもカラダの関係を持ってしまっている時点で友情は成立していない、と考えているからです。
とはいえ、ナンパ師はそう指摘されたら、「カラダの関係を持ってしまっていたら、その後にどんなに深い絆を結んでも“友情”と呼んではいけないのか?」と反論することでしょう。
つまり価値観が違うだけで、ナンパ師からすれば自身の「友情は成立する」という主張は“正解”だし、それに反対する人の「友情とは呼べない」という主張も“正解”なのです。ちなみに、自分の主張をゴリ押ししてナンパ師の主張を否定することは、価値観の多様性が重んじられる現代において、時代に逆行する行為になってしまいます。
実は、あえて最初にナンパ師の極論を紹介したのですが、ナンパ師の主張の「カラダの関係を持つ」という部分を「手をつなぐ」に置換したとしたら、どうなるでしょうか。
“手をつなぐ関係の男女”の友情は成立しているかどうかは、肯定する人もいれば否定する人もおり、半々ぐらいで真っ二つに分かれるかもしれません。「手をつなぐ」をセーフとするかアウトとするかは、世の中の人全員が満場一致でどちらかに決めるのはほぼ不可能なので、それはつまり定義を統一することはできないということになるのです。
さて、昨年話題を呼んだドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)は、「男女の間に友情は成立するのか?」がテーマでした。このテーマについて議論することの意味は多々あるとは思います。しかし、「男女の間に友情は成立するのか?」は、世の中の全員が納得する答えは絶対に出ないものだと考えています。今回はその理由を紹介していきましょう。
たった1つの理由、それは「“定義”を統一することは不可能だから」
他者の主張を否定することは価値観の多様性が重んじられる時代に逆行
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恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi
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