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「同僚は肋骨が折れていたのに労災扱いにならず…」48歳介護職の苦しみ。部長クラスなのに年収は350万円

あなたも「名ばかり管理職」かもしれない!

井沼さんのように、苛酷な労働環境にあっても、退職に踏み切れる中年は多くない。退職代行なども手がける日本労働調査組合の田内崇一郎氏に、実情を聞いた。 「勤続10年を超えて退職金の支給対象になると、本当は辞めたいのに早期退職を諦めてしまうケースが目立つ。どの程度もらえるか人事に聞くべきですが、会社に退職の意向を勘づかれると過度に恐れる相談者は少なくないのです」
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さらに、実例で目を引いたのは、「名ばかり管理職」に従事する中年労働者の多さだ。 「名ばかり管理職とは、『担当部長』や『リーダー』という肩書だけを与え、管理監督者として扱うこと。残業代の支払いを免れるのが、会社側の狙いです。’08年にマクドナルドの店長が『管理職の実態がなく、長時間残業を強いられたのに残業手当が支払われていない』と訴え注目を集めました。裁判は原告が勝訴し、未払い残業代など1350万円が支払われたのです」

あなたは大丈夫? 名ばかり管理職チェックリスト

あなたも職場で「名ばかり管理職」にさせられていないだろうか。下にチェックリストを用意した。 「労働基準法は、管理監督者に経営者と一体的な地位と権限があると定めている。管理職になれば残業代はなくなるが、役職手当が支給される。ところが、これが少額でトータルで減収していたら、名ばかり管理職です。さらに、法が定めた管理職とは、労働条件の設定や労務管理する立場。部下を評価する役割の実態があるか確認しましょう」 一つでも該当するケースがあれば要注意だ。

名ばかり管理職チェックリスト

□会社の事業にかかわる重要会議に出席できない □部下を評価する権限がない □役職に相応しい賃金を受け取ってない □出勤・退勤の時間が決められている □バイトを含む新人採用時の決定権がない □部下の給与額を知らない □遅刻や早退をすると給料から差し引かれる □役職手当がない、もしくは3万円程度と少額 【日本労働調査組合】 ネット上の労働調査、メディアを通じての情報発信によって労働環境の改善を図る。相談実績は2万人超。退職代行の支援も行う 取材・文/週刊SPA!編集部
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