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「いずれ強制的に出ていかされると思っとったわ」大阪万博の裏で進む“浄化作戦”。追いやられる住人たちに聞いた本音

 55年ぶりに大阪で万博が開催される。開幕が迫っているというのにあらゆる問題が噴出中だ。西成では野宿者が強制退去させられ、夜の街では風俗の摘発が相次いでいる。大阪はどう変わってしまうのか。現地を訪ねてみた。

万博開催を目前に進行する浄化作戦

[大阪万博]の意外な余波

大阪市役所前のミャクミャク像。大阪万博の公式キャラクターだが人気はイマイチでグッズの売れ行きも悪いとか

 大阪湾沿岸にある人工島・夢洲で’25年4月13日に開幕する「2025年大阪・関西万博」(以下、大阪万博)。残すところ、約100日。気がかりなのは大阪万博の人気面だ。  前売り券は目標数の約半数近くが売れ残っている。計画当初から夢洲の軟弱地盤や土壌汚染などの報道が相次ぎ、建設資材や人件費の高騰で会場建設費が2度の上振れ。  予定の約2倍、2350億円という費用も市民を不安にさせる。 「今後の焦点は万博開催の余波で、浄化作戦がどれほど広範囲に及ぶかです」とは在阪メディア関係者だ。その意図をこう解説する。 「今から35年前、1990年4月に大阪で開催された『国際花と緑の博覧会』(以下、花博)では、キタやミナミの路上生活者が強制的に排除され、その多くが西成のあいりん地区(通称・釜ヶ崎)に移住した。今回の大阪万博でも路上生活者を外国人観光客に見せたくないのか、“いらんもの”扱いしているのが現状です」