更新日:2012年08月13日 19:45
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脳はどんな状態か。速読を科学的に検証する

そのとき脳はどんな状態か。速読を科学的に検証する 脳の活動範囲や、脳波の状態を調べることで、速読で脳が実際に活性化していることがわかった! 速読にはどうしても摩訶不思議なイメージがつきまとうが、速読が脳に好影響をもたらすことを示す、科学的な実験データがある。 甲南女子大学看護リハビリテーション学部理学療法学科の辻下守弘教授が、呉氏が速読しているときの脳の活動部位を光トポグラフィーで測定したところ、左脳をメインに右脳の広い範囲も使っていることがわかったというのだ。 「言語野が左脳にあるため、一般的に読書中は左脳の働きが優位になる人が多いのですが、速読中の呉さんの脳は広範囲でバランスよく活性化されています。おそらく、広い視野で捉えた文章全体の内容を、右脳で写真のようにイメージし、それを左脳で言語として理解するという並列処理を行っているのでしょう」
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上段は、一般の人がなるべく速く本を読んだとき、下段は呉氏の速読中(画面向かって右側が左脳) 上の画像を見ると、確かに一般の人と呉氏とでは、活動範囲が全然違う。速読をマスターすると、1文字ずつ1行ずつ認識するのではなく、一度に大量の文章を認識できるようになるので、このような驚きの結果が出たのだろう。 「脳はどこか一部分を重点的に使うのではなく、広範囲が活性化されるほど、情報を処理する速度が速くなります。つまりこの結果は、速読が脳を効率的に使える状態にしてくれる証拠なのです」 脳を効率的に使えると、何事に対してもイメージが湧きやすくなるという。そう考えると、例えば段取りを考えるにも判断を下すにもイメージは欠かせないので、数々の速読効果にも納得だ。 また速読中は、脳波にも変化が表れていることを、同じく辻下教授の実験データが証明している。 「人の脳波は、リラックスした状態のときはゆっくりのアルファ波が、緊張しているときは速いベータ波が出ています。そのため、スポーツの試合などで予想外のミスを連発してしまう人は、かなり速いベータ波が出て、極度の緊張状態になっていると考えられるんですね。一方、本来の実力を発揮して好成績を出したときのアスリートは、SMR(感覚運動リズム)波という脳波が出ている状態になっています。そして、速読中の呉さんの脳も、このSMR波が出ている状態になっていたのです」 SMR波とは、アルファ波とベータ波のちょうど境目あたりに位置する脳波。適度にリラックスして適度に緊張した、実力を発揮するには最高の状態だという。 「ここぞというときにSMR波が出ている状態になることは、トレーニングで可能になります。ですから科学的に見て、速読はスポーツ向けの脳トレとしても、非常に理にかなっているのです」 脳の状態がここまで変わるとは……。速読の実態は、想像以上にスゴイといっても過言ではない!
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呉氏(下段)は13~15ヘルツ(オレンジと赤)のSMR波が出ていることがわかる ― 脳を全開にするスゴイ速読【7】 ―
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