仕事

大企業出身なのに…転職先で“無能扱い”。崖っぷち営業マンが3か月で退職に追い込まれたワケ

始まった新天地での勤務、しかし…

 大手企業と東京に別れを告げ、バタバタと3か月後には地元の人材派遣会社で勤務をスタートさせた三村さん。周囲からの歓迎ムードの中、順調に業務をスタートさせました。しかし……。 「好調だったのは最初の1か月ほどだけで、次第にうまくいかなくなりました。クライアントから急に連絡が入らなくなったり、派遣先でトラブルが起きたり、まるで東京時代の二の舞でした。来月には家族も引っ越してくる予定だし、今度失敗したらもう後がないと思うと、正直消えてしまいたい気持ちになりました」  何としてでも営業実績を上げたいと考えた三村さんでしたが、その熱意が空回りしてしまったのかもしれません。そこで、夜遅くまで会社に残りいろいろな“秘策”を考えたといいます。しかし、そんなある日、三村さんのスマホに派遣先の担当者からクレームの電話が入ります。 「実は、つい出来心で、派遣スタッフのスキルを詐称して案内していたんです。エンジニア職だったので、習得プログラム言語を多めに追加していました。追い込まれていたとはいえ、今思えばもうむちゃくちゃでしたね。正直『終わった』と思いました」  崖っぷちに立たされた三村さんの“無謀な手段”によって、その後もクレームが絶えず、営業どころか上司と一緒に謝罪行脚の日々が続いたといいます。

振り出しに戻った自分の人生

転職失敗「本来なら解雇に相当する事例だったそうですが、面接を行ってくれた副社長が思いの外、同情してくれて、自主退職ということになりました。家族がまだ引っ越しを済ませていなかったのが不幸中の幸いでしたね」  心身ともに疲れ果てた三村さん。しばらくは実家で過ごしたのだそう。 「自分に何が足りないのか、どこがいけないのか、日々考えました。とにかく、少しでも早く東京に戻って何か職を探さねばなりません。こんな私でも、妻や子供たちは待っていてくれてるようで、それが唯一の原動力ですね。振り出しに戻った気持ちで、イチからやり直します」  しばらくして東京に戻った三村さん。なかなか条件のよい再就職先が見つからないようですが、以前より穏やかな雰囲気に見えた気がしました。 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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