更新日:2024年03月24日 09:58
仕事

“フランスのワークマン”が全店舗閉店。CMOが語る「日本ではミスマッチだった」戦略とは――大反響トップ10

直営ECでは動画を活用

 矢野経済研究所の調査によると、日本におけるアウトドアの市場規模は2023年度に3174億円まで成長すると言われている。コロナ禍からのアウトドアブームを追い風に再起をかけたデカトロンの日本再進出を任されたのは、フランス本社での商品開発を経て現在、日本支社のマーケティング責任者を務めるチャールズ氏だ。 「今年から実店舗ではなく直営ECをメインにしたことで大きく変わった部分は、サイト内に載せた25もの動画で商品イメージを紹介しているところです。例えばテントなら組み立てる方法を、ロードバイクなら実際に乗って走っている様子を動画で伝えています。  また、ECサイトにはチャットで質問ができたりメールで問い合わせができたりする案内も載せるなど、消費者の疑問に寄り添える窓口も用意しています」

日本人は要求レベルが高い

 
デカトロン

デカトロンのECサイト

 日本支社は2023年から卸販売と直営ECを主戦場にしており、スタッフの人数は実店舗を運営していたときの120人から34人まで減らし、少数先鋭の体制に変更した。今後も、日本で実店舗を展開する予定はなく、直営ECでの販売を主力に売り上げ拡大を狙う。 「日本への再進出は利益を伸ばし、市場を広げるのが大きな目的ですが、それ以外にもさまざまな恩恵があります。というのも、日本人は他国の人たちに比べて『いいものがほしい』という思考が強い印象です。  つまり、私たちスポーツメーカーに対しても要求レベルが高い。 一方で、日本人の鋭い目線は商品開発をする際の重要な意見にもなります。私はスタッフによく『日本人のニーズに答えられたら、他国のニーズにも応えられる』と話しています」  デカトロンは日本の消費者とともに、再びこの地で商機を見出せるのか。 <TEXT/橋本岬>
IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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