更新日:2024年04月05日 17:41
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能登半島地震、被災体験者の声からリアルに学ぶ「地震災害への備えと対策」

転居や家を建てるときに気をつけておきたいこと

仮設のトレーラーハウス(志賀町)。※筆者撮影

 取材にあたり被災地などを案内してくれたぶなの森の代表・高峰氏は震災後、自社サイトに「令和6年能登半島地震関連情報」ページを作成して復興の様子を発信するほか、ボランティア希望の県外団体が被災地でスムーズに活動できるようコーディネートしている。 「東日本大震災のときにも問題になりましたが、昔の人たちが『家を建ててはいけない。危険だ』と警告している場所に家を建て、被災しているケースも少なくありません。人口増や暮らしが変化していく長い歴史のなかで、先人たちの警告が薄れてしまったようです」  しかし、「そういった場所にも普通に家が建てられたり、建て売り販売されたりしている」と高峰氏。そのため、危険な場所だと気づかずに購入してしまうケースもあるようだ。つまり、マンションやアパートにおいても同じように注意が必要だといえるだろう。 「転居するときや家を建てようとするときは、その地域にある役場のハザードマップを閲覧したり、図書館にある地域の歴史や文献に目を通したりしたほうがいいでしょう。そうすれば、その土地にまつわる災害や注意すべきことがみえてきます」

危険度の高い地域に住む人ができること

 国土交通省北陸地方整備局の「石川県内の液状化しやすさマップ」によると、液状化現象が起こり宝達志水町のなかで唯一の甚大な被害を受けた柳瀬をはじめ、周辺地域が危険度3のピンク色に塗られている…。しかし、こういった地域は日本の国土において非常に広範囲にわたり、実際に住んでいる人も多いのではないだろうか。 参考:国土交通省北陸地方整備局「石川県内の液状化しやすさマップ」「羽咋・かほく地域」 「国や自治体といった大きな組織が『ここからは危険な区域なので、家を建ててはいけない』など注意喚起をし、いま住んでいる人たちが安全に暮らせる場所を提供できるのが最善です。でも、莫大な費用がかかるので、すぐには難しいでしょう」

震災で部分的に大きく崩落した珠洲市の「見附島」。左側が震災前、右側が震災後。画像提供:株式会社ぶなの森

 個人や自社の力だけではどうにもできない対策もあるが、この記事で紹介した内容は、「令和6年能登半島地震」という大きな地震を体験した方たちのリアルな声にほかならない。お金を貯めたり衝撃吸収マットを敷いたりと、できることからはじめてみてはいかがだろう。 「令和6年能登半島地震」で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々が1日も早く平穏な日々を取り戻せるよう心より願っております。 高峰博保氏 「株式会社ぶなの森」の代表。ぶなの森では、石川県の観光や交流サポートをおこなうほか、加賀市や宝達志水町を中心に石川県への移住促進を担う。震災後には自社サイトに「令和6年能登半島地震関連情報」ページを作成し、個人のSNSとともに復興の様子を発信。家屋を失った人に空き家を手配するほか、ボランティア希望の県外団体と被災地を結ぶコーディネーターとしても活動している。
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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