輪島市門前町の状況
簡易浴場などで被災地を支援する自衛隊の様子(輪島市)。※筆者撮影
輪島市でもっとも被害が大きかったといわれる市内中心部までは行けなかったが、門前町の住宅街の損傷も想像以上だった。住宅街では多くの家屋が倒壊し、断水が続いている地域も多く、自衛隊やNPO法人などが簡易的なお風呂を設置して対応にあたっている。
参考:輪島市「
入浴支援」
参考:NPO法人Vネット「
輪島市門前町に2箇所目のお風呂オープン」
避難所近くで洗濯支援をおこなう「WASHハウス」のトラック(輪島市)。筆者撮影
水道の復旧は2024年3月末や4月以降となっており、観光など足を運ぶのは難しい状況。天領黒島地区は日本の海運業とともに船員の居住地として栄えたエリアであり、「旧角海家住宅(輪島市天領黒島角海家)」は国指定重要文化財である。
「旧角海家住宅(輪島市天領黒島角海家)」の様子(輪島市)。筆者撮影
「旧角海家住宅」は、2007年に発生した能登半島地震で大きな被害を受け、2011年に土地建物ともに輪島市へと寄贈。莫大な費用をかけて復元工事がおこなわれた。10年そこそこで今回の「令和6年能登半島地震」が発生し、さらに大きな被害を受けたため「復旧は難しいかも」という県民の声もあるが、現地の案内看板には力強い貼り紙も見られた。
「旧角海家住宅」の案内看板に貼られていた復興に関する力強い告知物(輪島市)。筆者撮影
参考:「
輪島市の水道復旧見込み」
大きな被害を受けながらも「頑張るしかない!」と営業を再開した食料品店「トギストアー」(志賀町)。筆者撮影
まずは、天井や駐車場などに甚大な被害を受けながらも、2月19日から営業再開している「トギストアー」。志賀町富来地頭町にある食料品店で、一般社団法人志賀町観光協会が2024年4月22日までおこなっている
クラウドファンディングでも紹介されている。
「トギストアー」の店内(志賀町)。筆者撮影
店内はシートが掛けられている箇所や電気の消えている棚もあり、取材時の2月下旬は空の棚もあるなど商品は品薄。けれど、被害が大きかったとされる七尾産のタイなどもあったほか、ジュースや菓子類は充実していたし、野菜や日用品などもあった。
「トギストアー」の店内(志賀町)にあった告知物。筆者撮影
「トギストアー」と同じ志賀町には、「増穂ケ浦ショッピングモールアスク」もある。ビル内に入居しているお店のほとんどを、地元住民が経営している。1995年の開業から営業している店も多く、お好み焼き&ランチ「
ポルポ」もそのひとつ。
参考:一般社団法人日本ショッピングセンター協会「
全国都道府県別SC一覧 石川県」
「増穂ケ浦ショッピングモールアスク」に入居する、お好み焼き&ランチ「ポルポ」のメニュー表(志賀町)。筆者撮影
お好み焼き&ランチ「ポルポ」のシーフード華麗(志賀町)。筆者撮影
2月上旬に断水が解消されてからは時間を短縮しながら営業し、地域住民が憩う場になっている。おすすめは、お店と同じ地域「富来」産のサザエが入った魚介のうまみ香る「シーフード華麗(カレー)」。3月2日(土)からは通常営業している。
どちらもぜひ立ち寄ってほしいお店だが、志賀町エリアでは道路の一部が破損していたり、住宅街では家屋が倒壊していたりすることも少なくない。更新工事中の「世界一長いベンチ」は3月中旬には完成予定だが、観光するにはもう少し時間がかかるかもしれない。