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山奥で看板を掲げるだけで“時給1万円”の謎バイト。歯の少ない老人に「車に乗れ」と言われ…

自宅でも頻繁に怪異が起こるようになり…

 それから高坂さんは、あることに悩まされるようになる。 「一人暮らしをしていたマンションにいると、窓のほうが気になって仕方なくなって……。ある日、前日に遅くまで飲んでいたかなんかで、昼過ぎまで寝ていたことがあったんです。で、起きた時にふと窓の方を見たら、細い何かがいたんです。その後のことは覚えておらず、気づくと夜で暗い部屋の中で、ベッドではなく床の上に倒れていました。バイトの時に見たやつよりももっと細くて、人なのかどうかもわかりませんでした」  それから、たびたび同じようなことが起きるようになった。窓の外に普通ではありえないほど細い人物が立つようになり、気絶したような状態で目が覚める。そんなことを繰り返すうちに、心底恐ろしくなった高坂さんは、お盆の頃を予定していた実家への帰省を早めることにした。 「神様とかそういうのはまるで信じないタイプだったんですが、実家の仏壇に手を合わせたり、お墓参りに行ったり、神社でお参りしたり、そういうことを何度もやりました」  その後マンションに戻ったところ、もう窓は気にならなくなり、変なものを見ることもなくなった。報酬は高額だったが、とてもわりに合わないバイトだったという。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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