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「ぐるなび」と「食べログ」で分かれた明暗。“4年前は互角”も大差がついてしまったワケ

食ベログの業績が安定している理由

 ぐるなびは宴会ができる飲食店に強みを持つ一方、食ベログはレストランやカフェ、焼肉店など様々な業態を扱っているというメディア特性があります。ぐるなびの不調は、宴会需要が減退したことで居酒屋店を中心に加盟店舗数が減少したことに起因しています。  日本フードサービス協会によると、2024年2月の居酒屋店の売上高は、2019年同月比で7割にも達していません(「データからみる外食産業」)。居酒屋店の稼ぎ時である2023年12月においても、2019年比で同じく7割に届かず、改めて宴会需要が縮小したことを知らしめました。  それでは、食ベログの業績が安定しているのはなぜでしょうか?
1世帯当たりの年間の外食費

1世帯当たりの年間の外食費 ※家計調査より筆者作成

 消費者が外食に使っている金額そのものに大きな変化がないからです。総務省の家計調査によると、2023年の1世帯当たりの年間の外食費は17万3000円でした。2020年は12万9000円まで下がりましたが、力強く回復しています。2019年は17万6000円で、ほぼ同じ水準まで戻っているのです。  食ベログはテレビCMで「お店探しは、食ベログアプリ」をキャッチコピーにしていました。まさにこれが重要で、消費者の中に飲食店探しは食ベログだという意識が醸成されている限り、転落することはないでしょう。

外食頻度が減った結果、食べログ有利に?

 食ベログにはもう一つ追い風が吹いています。それが外食頻度の変化です。家計調査によると、2023年の勤労世帯における年間外食頻度は132回でした。2019年は153回。月当たりに直すと、2019年は12.8回、2023年は11.0回飲食店を利用していることになります。  つまり、外食に使う金額は2019年の水準に戻っていますが、頻度は下がっているのです。コロナ禍をきっかけとして、消費者は1回当たりの飲食店の利用機会を堪能しようとする姿が浮かび上がります。  飲食店の探し方は複雑化しています。SNSで発見したお店をGoogleで検索してグルメメディア、公式サイトを確認。地図アプリで場所を見て、グルメメディアで予約を入れるといった様々な過程を踏みます。  消費者は飲食店選びに対して慎重になりました。口コミで信頼を構築した食ベログはユーザーの受け皿になっているのです。2023年10-12月の食ベログのネット予約人数は2307万人でした。2019年10-12月は1137万人。倍増しています。
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懸念は「アルゴリズム訴訟」と「別のプラットフォームの台頭」
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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