お金

「ぐるなび」と「食べログ」で分かれた明暗。“4年前は互角”も大差がついてしまったワケ

懸念は「アルゴリズム訴訟」と「別のプラットフォームの台頭」

 ただし、食ベログに死角がないわけではありません。  その一つがアルゴリズム訴訟。焼肉チェーンを経営する会社が、不当に食ベログの点数を下げられて客数と売上が減少したと主張。運営するカカクコムに損害賠償を求めました。  一審では店舗側の主張を一部認め、3800万円余りの賠償を命じました。しかし、二審では店側の訴えが退けられています。焼肉チェーンの経営者は、最高裁判所に上告する意向を示しています。  この裁判の一番のポイントは、食ベログが適切ではない方法で点数を操作しているのではないかと疑われていること。消費者は食ベログの点数を店選びの参考にしていますが、その信頼が揺らぐとメディア離れを引き起こすきっかけになります。この裁判の行方は極めて重要です。  もう一つはGoogle MapやInstagramなどの別のプラットフォームの台頭です。Google Mapは食ベログと同じように口コミが充実しており、特に若者の間では大いに活用されています。Instagramは2021年に飲食店の席予約ボタンを追加し、来店を促す仕組みを導入しました。  現在は食べログが飲食店探しの受け皿になっていますが、勢力図はいつ変わってもおかしくはありません。この先も安泰だとは決して言えないでしょう。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
1
2
3
おすすめ記事