仕事

「初任給15万、飲み会は強制参加」…入社3か月で辞めた新入社員が絶望した“劣悪な環境”

「機嫌を取るため」無駄な時間を過ごした

 個人的に研修で一番しんどかった要因は、30代の男性インストラクターである。研修時間は9時~19時ではあるが、いつも帰るのは21時ごろ。なぜ時間内に帰れないかというと、研修期間の最終日に技術や接客に関する試験があり、合格しなければ店舗に配属されない。つまりは合否を決めるインストラクターの機嫌を取っておく必要がある。  インストラクターは、「残業=やる気」という価値観を有しており、長く残って練習することがいかに正義であるかを度々話していた。そのため、19時で帰る人間は皆無。ご機嫌取りのために研修センターに長くいなければいけないことはとても辛かった。  また、試験に合格していよいよ研修センターとおさらばできると思った矢先、同期の人達数人がインストラクターに感謝の意を込めてプレゼントを渡そうと言い出した。そして、そのプレゼント購入のためのカンパを始めたが、これには「なぜお金をさらにむしり取られければいけないのか!」とブチギレそうになった。しかし、同調圧力に屈して泣く泣く数百円を寄付せざるを得なかった。みんなで仲良くプレゼントを渡している時のおめでたい雰囲気は今でも忘れられない。

初任給は「額面で15万円」だった

 研修の段階で会社に対する不信感は溜まっており、店舗配属後から辞めるまではあっという間だった。結論から言うと、退職した理由は「給料」と「飲み会」である。業務委託で働いているため、施術をしなければお金が発生しない。つまりお客さんが永遠に来なければ月給0円だ。筆者が配属された店舗は腕のあるセラピストが揃っており、噂によると他の店舗よりも来客は多いらしいが、それでも最低時給を下回る日は珍しくない。  初任給は額面で15万円、次の給与は同じく額面で20万円ほど。当然ながら手元に残るお金はかなり少ない。1人のワーキングプアの出来上がりである。「フリーターのほうが稼げるじゃん」と思ったことがキッカケの1つである。
次のページ
「飲み会に参加しなきゃ死刑」と言われる
1
2
3
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ