スタバで患者を号泣させて…怪しい「野良カウンセラー」が乱立する現状を被害者が告発
多くの人にとって未知の経験である「カウンセリング」。しかし、長年精神科に漫然と通っていても、今ひとつ調子の上がらない人は少なくないという。そのような人は、一度“トラウマ”の可能性を疑ってみるといいだろう。例えばトラウマによって「複雑性PTSD」を発症していないかなどだ。
「新興宗教とか、スピリチュアルはさすがにやばいだろうってはた目にもわかります。でも『カウンセリング』を標ぼうされるとわからなかったんですよね。後で知ったんですけど、『カウンセラー』『セラピスト』は名称独占じゃないからやりたい放題らしいですね。すっかり騙されましたよ。まあ私が無知だったと言えばそれまでなんですけど……」
そう語るサチさんは「『公認心理師』と『臨床心理士』の資格を両方持っている人じゃないと絶対ダメ」と何度も念押しした上で、民間の野良カウンセラーに「騙された」という経験を語り始めた。
「『なんとか心理カウンセラー』にかかっちゃったことがあるんです。カフェの2階みたいなところに通されて、なにかの『裏紙』に個人情報を全部書くよう強制されました。過去の傷つき体験を話したところ、『あなたの自信のなさが全然ダメ』『自分で不幸を呼び寄せている』と説教を小一時間受けました。全く納得できない内容だったんですけど、料金の5000円はなんの躊躇もなくしっかり取られました」
「ちょっと前にネットで見たんですけど、スターバックスで『カウンセリング』して患者を号泣させて、その一部始終をSNSに誇らしげにアップする『カウンセラー』もいたみたいですね。今は投稿を削除してるみたいですけど……本当、気をつけなきゃダメですね」
そんなサチさんが「公認心理師と臨床心理士のダブルライセンス」に強くこだわるのは、「どちらかを所持しているだけでは安心できなくて、両方持ってることで最低限のスタートラインに立てるから」だという。
「私も『臨床心理士』だけ持ってるカウンセラーにかかったことがあるんです。通院先のカウンセリングルームだったんですけど、主治医は信頼できるし、まあ大丈夫だろう、と甘く見積もっちゃったんですよね」
科学的エビデンスにもとづいたトラウマ治療の啓蒙は重要だが、そのすぐ脇には、「新宗教」「カウンセリングおばさん/おじさん」「スピリチュアル」といった悪徳ビジネスが待ち構えている。いかにこれらの“野良カウンセラー”を忌避するかも、今や患者にとって必須のスキルとなりつつあるのだ。
苦労の果てに公認心理師および臨床心理士資格所持者の治療にたどり着いたというのは、生い立ちのトラウマに起因する複雑性PTSDを抱える都内在住の宮崎サチさん(仮名・39歳)だ。彼女に話を聞いた。
5000円支払い小一時間説教を受ける
スタバで患者を号泣させた様子をSNSに投稿
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ライター。東京都在住。ギャグ漫画をこよなく愛する。好きな作品は『スナックバス江』、『無能の鷹』など。分野は医療や福祉、学問が中心だがなんでも書きまくりたいと思っている。積極的に取材も行う
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