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「この会社は体質が古い」大口叩いた新入社員が“入社5か月”で辞めていくまで

「女性初の幹部になる!」ビッグマウス系女子

フレッシャーズ女性 山下未来さん(仮名・20代)が勤務する教育業界の中小企業では、毎年5〜6人ほどの新入社員が入社する。しかし、1年経つころには半分くらいの人が辞めていくという。  そのなかでも特に印象に残る、女性Aについて話してくれた。彼女は入社から約5ヶ月で退職したという。 「Aは、いわゆる“ビッグマウス系”で、『この会社は体質が古い!』『私が女性初の幹部社員になって、女性でもやれるんだということを知らしめたい!』などと大袈裟に話す人でした」  Aの向上心そのものは確かで、先輩社員や幹部陣からも期待を寄せられていたが、現場赴任後1週間ほどして雲行きが怪しくなってきた。 「遅刻をしたり、顧客と積極的に関わらないような姿勢を見せたり、やや怪しい行動が目立っていました。考え方も我が強く、なかなか曲げられないようなんです」

新入社員が大規模部署の責任者候補に

 とはいえ、そんなAが任されたのは、大規模部署の責任者候補だった。 「Aの評価は高かったので、新規出店をするタイミングでの人員配置でした。Aも赴任して2週間ほどはやる気満々だったのを覚えています」  電話をした際も、「前よりいろいろ楽しいです!」と言い、山下さんは安心していたと話す。しかし、当初に抱いた悪い予感が当たってしまう。 「『自分の思うようにいかない』や『もっと私はできるはずなのに』と恨み節を吐くことが多くなっていきました。そして、7月に行われたエリアミーティングにAも参加したのですが、事例共有や取り組み発表をする際に、急に泣き出したんです。そこからは、急転直下でした」  7月末頃から出社しなくなり、お盆休み明けには退職が確定したとのこと。Aが退職したことは、社内に大きな波紋を生み、上層部の見解は割れていたと振り返る。 「新卒に大きな部署を任せたのが間違いだったのでは?」 「キャリアの場所を提供したにもかかわらず、ムダにしたのはAだ」  そんななかで、山下さんは「私としては、最初にあれだけ大きなことを言っていたのに期待外れだったなと。正直、何ともいえない気持ちになりました」と締めくくった。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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