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家の駐車場を“一面の”砂利やアスファルトにしてはいけないワケ。「タイヤ痕が残らない」駐車場の作り方とは――大反響・総合トップ10

組み合わせながら、自然に寄せる。ヴィンテージの風合いを出す

ここまで欠点のある素材のほうが多かったが、結局、何がお勧めなのだろうか。 gaikou004「僕がいま出している正解の一つは、組み合わせることと、自然に寄せることで、ヴィンテージ感を出すことです。前者の組み合わせというのは、メインをひとつに決めるのではなく、コンクリートと天然石、それにヴィンテージレンガの3種類を組み合わせる手法を指します。ヴィンテージレンガというのは、先ほどのインターロッキングとは違い、わざとバラつきを持たせた、自然に近いレンガ素材です。組み合わせることによって、質感の違いなどを見せます」 後者の自然に寄せるとは? gaikou002gaikou003「例えば、コンクリートの打ちっぱなしは、四角く区切るのではなく、丸く曲線にして、目地には芝生や砂利を入れます。なぜ曲線なのかというと、自然界には人工的な直線は存在しません。外構はあくまで『外』なので、自然に近づけたいからです。目地も自然に近いものがいい。また、タイヤ痕を減らすにはコツがあって、まずキレイな表面をつくってからわざわざ流して仕上げます。表面をザラつかせることによって凸凹をつくり摩擦を減らすわけです。するとタイヤが全面に当たらないので、タイヤ痕は残らなくなります。ヴィンテージレンガも、施工時に大きさを割ったり高さを変えたりと、手間を加えて自然に近づけていきます。そう考えると天然石は言わずもがなです。そうやってつくり上げた外構は、最初からすでにある程度の風合い、ヴィンテージ感があり、なおかつ使えば使うほど味が出てくる。経年劣化ではなく、『経年美化』の外構というわけです」 外構は自然に近いほうがいい、というのは納得である。 〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた

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1000軒の家を建ててわかったこと

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