自宅の部屋の壁に「なんとなく白色」を選んでしまうのは“もったいない”ワケ
今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに視聴者の心をつかみまくっている。 そんな押村は5月2日、自身の考えや思いを綴った初の書籍『美しい家のつくりかた』を発売する。押村は「室内から白い壁を排除すべし」と主張する。とくに注文住宅の場合、壁の色は無難に「白」を選びがちだが、それだけでは本当の家づくりの醍醐味はわからないという。
日本人が洋室を思い浮かべると、明るい茶色の床に、白い壁の部屋が大抵となる。モデルルームもこの配色が多い。しかし海外の室内を見ると、白い床に青い壁、濃い茶色の床に緑色の壁など、その配色は多岐に渡る。「住空間クリエイター」を名乗る押村は、カラーリングについて次のように提案する。
「壁に『白』を選ぶという考えを一度、排除してみましょう。白は清潔なイメージがあるので、新築の家に使いたくなるのはわかりますが、その半面、緊張を強いる色でもあります。部屋が白で囲まれてしまうと、案外落ち着きません。また、ナチュラル系のフローリングに壁が白だと、家全体のテイストがナチュラル系に決まってしまい、ありきたりになります。個人的には、家具や装飾を選ぶ楽しみが半減するのも面白みに欠けると思っています」
白が間違いとまではいわないものの、「無難な選択としての白」は「もったいない」と押村。続けて、おすすめする色の決め方を教えてくれた。
「最初に決めるのは壁ではなく、床の色です。選べる色の種類が少ないからです。次に壁の色を選ぶ。そのあとが設備や造作家具。最後に天井です」
あらかじめ家具やカーテンなどの色が決まっている場合は、それを考慮しながら選んでいくことになる。反対に、部屋の色を決めてから家具やカーテンなどを選ぶ場合は、床と壁がベースカラーとなることを頭に入れておきたい。
最初に決めるべきなのは、壁ではなく床だった
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(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』
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『美しい家のつくりかた』 1000軒の家を建ててわかったこと |
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