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「新歓で受けた悪質なドッキリ」にげんなり…国立大を1年で休学した男子学生が、東京藝大に通うまで

「作家として生きていく」よりも大事なことに気づく

流太

どんな道に進むにしろ、流太さんの今後に期待したい

 自身が生み出した作品が、世に出たあとにどのような人に買われるか――その度合いは、作家によって当然異なる。流太さんは、誰かのことを思い浮かべながら作品を作ることが多いため、美術に精通した一部の富裕層ではなく、市井の人々に届けたいという思いが強いのだという。 「ある教授が『一枚のすごい皿を作ったとして、それがわかる人にだけわかればいい』と言っていたけど、あまり共感できなかったんです。私はどちらかというと、100均のお皿でもいいから多くの人に届けたいと思うタイプの人間です。もしかすると、やりたいのは職業作家ではないのかもしれないと思い始めました」  現在、学部3年を迎える流太さんは、エンタメ業界を中心に就職活動をしている。個人での制作よりも、企業でクリエイティブ職として勤めることで、自身が手がけたものが多くの人に届くと考えた結論だという。その選択は、アートを諦めたというネガティブな類のものではなく、より建設的な思いから発せられたように感じる。 「『作家として生きていく自信がなかったわけではない』と言えば嘘になるけど、それよりも大事なことがあると思って、選んだ道です」  繊細でありながらも強さを秘めた彼の姿勢は、表現の多様性と内省的な探究心を映し出している。たとえ職業作家の立場でなくても、彼のエッセンスが散りばめられた作品は、多くの人を魅了するに違いない。 <取材・文/えんじてゃ>
アートとアイドルが好きな大学院生。過酷な幼少期をバネにアイドルプロデュース(アイドル失格)を中心に様々な制作に励んでいる。SNSまとめ
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