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「小学生男子じゃないんだから」美人社員の気を引こうとする取引先の御曹司の“呆れた手口”

不自然な忘れ物の多さ

 折原さんと臨んだ、記念すべき初顔合わせでの会議は有意義な内容だったといいます。 「今度の新商品は、M氏いわく社運をかけているそうで、かなり熱意の入った意見交換ができました。こちらの提案にも賛同していただき、幸先の良いスタートが切れました。今後は具体的な話し合いになるので、とりあえず週1での定例会議を設けることになりました」  ところが、最初の会議が終了したあと、しばらくしてから折原さん宛にM氏から電話が入ったそうです。 「折原さんによると、彼女の携帯電話に直接連絡があったそうで、ペンケースを忘れたとのことでした。M氏いわく、近くのカフェで別の人物と打ち合わせをしているので、そこまで届けてほしいという依頼でした。大切なクライアントなので、折原さんにすぐ届けるように指示しました」

やっぱりそうだったのか…

セクハラ

※画像はイメージです

 ただ、その後の定例会議でもM氏の忘れ物は続いたといいます。細川さんは、M氏の忘れ物の多さに首をかしげ、彼の行動に疑念を抱きます。 「最初のうちは何も気にならなかったのですが、徐々にその理由が明らかになりました。M氏は意図的に忘れ物をしていたのです。その目的が折原さんで、彼女に近づきたかったのでしょうね。ですが、折原さんも忙しい身なので正直言って迷惑なのです。まるで、小学生の男子みたいな行動ですね。対策を講じるしかないですね」  次の定例会議で、案の定小物の忘れ物をしたM氏。いつものように折原さんに電話連絡を入れたそうですが、細川さんが代わりに届けに行ったそうです。それ以降、そのような忘れ物はなくなりました。 「いろいろと分かってきました。実は、弊社の30周年パーティーにM氏も来賓として来ていたのですが、その時に他の同期から折原さんのことを聞いていたそうです。その時から目を付けていたのですね。しかし、今回私が忘れ物を届けた時に、少し驚いて戸惑っていたので、もう繰り返さないと思いますよ。彼にもプライドがあると思いますので」  案の定、クライアントから連絡が入り、次回の定例会から新商品の開発部長が代わりに参加することになったそうです。   <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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