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「冷凍した食材」“マズくならない”解凍術3選。「トレイに入った肉をそのまま冷凍するのは…」

難しいのは、冷凍よりも解凍。 突然ですがみなさん、冷凍肉や冷凍魚を上手に解凍できていますか? スーパーの値引き商品や食べ残りの総菜を冷凍することもあるでしょう。そしてそれらを使う時に扱い方を間違えてパサパサになってしまったり、縮んでしまったという失敗をしてしまった人は少なくないはず。どのように解凍したり料理に使うのが正解なのでしょうか? 結論から申し上げれば、特別難しいことはありません。たった3つのポイントを知っておけば、どんな食材にも応用が可能です。そこで今回は、買った食材や総菜をおいしく冷凍・解凍するための3つのコツをご紹介していきたいと思います。

①冷凍する場合は、「脱気」をする

解凍

食材は、パックから取り出して、かならず空気をしっかり抜いてから冷凍するようにしましょう

実は見落としがちなのが、冷凍する時の注意事項。食材を入れてできる限り空気を抜いて急速冷凍することが理想的です。空気に触れた状態で長期間冷凍保存すると、食材に含まれる水分が蒸発して乾燥していきます。その乾燥した食材に空気が触れることで酸化が進み、味や色が劣化する“冷凍焼け”を引き起こす原因に。 つまり、トレイに入った肉や魚をそのまま冷凍することは絶対に避けるようにしましょう。トレイやタッパーに入れるのではなく、ラップでぴったり包み直す、密閉袋に入れて空気をきっちり抜いた状態で冷凍をすることが重要です。これは総菜においても同様で、パックごと冷凍するのは極力避けるようにしましょう。 また、解凍した時に食材のおいしさを維持するために重要なカギを握るのが、「急速冷凍」。食品の組織を壊さずに超低温で凍結させることで品質低下を防ぐ方法ですが、これは残念ながら家庭用の冷凍庫ではできません。加えて、生野菜や食感重視の総菜はそもそも冷凍保存には向かないことも念頭に置いておきましょう。

②解凍は冷蔵庫で

解凍

おいしさ重視で考えると、ベストな方法は冷蔵庫に……

それでは次に、冷凍した食材を正しく解凍する時のポイントに移りましょう。冷凍肉や魚をおいしく解凍する方法は、冷凍庫から冷蔵庫に移すこと。低温状態を長く維持しながら外側と中心部の温度差が少ない状態を作ることができるため、旨味成分であるドリップをほとんど出さずに解凍することが可能です。また細菌の発生を抑えることができるので品質劣化のセーブにもつながります。難点は一つで、時間がかかること。夜に食べたい場合は朝冷蔵庫に移しておくなど計画的な準備が必要です。 ちなみに急いでいる時にやってしまいがちな「流水解凍」は、食品を水を流して解凍することで熱伝導がよくなり短時間で解凍できる仕組みですが、冷蔵庫解凍よりもドリップが出やすいためオススメ度は低くなります。冷たいまま半解凍状態で食べる冷凍枝豆やカツオのたたきなどは比較的向いています。 他の方法として電子レンジでの解凍がありますが、最近の電子レンジは機能も十分に向上し、解凍に適したワット数(100~200ワット)の切り替えが可能になっています。ひとつ注意すべきは、加熱ムラ。食品はそのまま置かずに耐熱性の皿や容器の上に乗せて温めること、レンジ庫内の中央に置くことが重要です。また庫内にタレ、調味料、油、水滴がついている場合、そこに電磁波が集まりやすくなるため、十分にふき取ってから解凍するようにしましょう。
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食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12

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