今年の「すき家のうな丼」を食べて驚いた理由。“超肉厚”の吉野家も悪くない。松屋は“あえて”の選択肢か
連日暑い日々がやってまいりました。夏バテ防止のために食べたくなるのが、鰻(うなぎ)。ニホンウナギは絶滅危惧種(※)に指定され、完全養殖実用化はまだ先という状況で、円安や流通コスト上昇などからも、今年はますます価格高騰が進んでいます。うーん、どうせ食べるなら賢く選んで、少しでも安く、少しでもおいしい鰻を食べたいところですよね!
そこで今回は、大手牛丼チェーン3社のうな丼・うな重を比較することに。私は毎年恒例で実施していることもあり、過去の情報もふまえながら、2024年版正直レポートをお届けしたいと思います。
※国際自然保護連合により絶滅危惧種1Bs類に指定。
はじめに結論から申し上げると、おなじ牛丼業界とは言え、タレの味や鰻の食べ心地は大きく異なり、比較して食べてみるとそれぞれに強い個性があることがわかりました。食べ物の好みは人それぞれではありますが、がっつり食べたという満足度を優先すると、今年はすき家と吉野家で票が割れるのではないかという結論に至りました。松屋も決して悪くはなく、他2社とは大きく異なる世界観ですから、松屋の味をあえて指名する人も出てくるかもしれません。
各社ともに昨年のテイストを継承しているものの、値上げに負けない企業努力で味の工夫や安売りプロモーションを実施していますから、詳しく見ていくことにしましょう!商品全体や鰻の重量はもちろんのこと、鰻の焼き具合や香ばしさ、身の状態、ごはんとの相性なども細かくチェックした上で正直な感想をまとめました。
鰻重一枚盛 1207円、1185円 ※店内価格、テイクアウト価格の順
鰻重二枚盛 2021円、1985円
全体重量:363グラム※一枚盛、容器含む
うなぎ重量:132グラム
はじめは吉野家。牛丼同様、本物のうまさにこだわっている同店の最大の特長は、肉厚大判であること。鰻の重量は松屋の1.7倍、すき家の1.8倍です。白身は厚みと弾力を感じ、皮身や脂身のある中間層(白身と皮身の間)にもしっかりとした存在感があります。
そして嬉しいのが、鰻の強さに負けない味付けや焼き具合。滋養豊富な鰻の頭を煮詰めてうま味を抽出したエキスを加えたコクのある特製たれを大判うなぎにくぐらせて四度焼きしているのです。とにかく鰻をがっつり食べたいという人は、吉野家一択でしょう。土用の丑の日に向けてテイクアウトやECサイト販売で値引きセールを実施していますから、そちらも要チェックです。
【セール情報】
・土用の丑の日7月24日(水)を含む7月20日(土)から7月29日(月)の期間中に「鰻重」、「鰻皿」を事前にテイクアウト予約に限り10%割引
・吉野家公式通販ショップ他 EC モール店舗で8月7日10時まで夏季限定商品「冷凍うなぎ蒲焼」を通常価格より最大 20%オフ
結論は三社三様。二社が優勢!?
吉野家:肉厚大判。鰻をがっつり食べたい人はこれ一択
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食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12。
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