若手4人組バンドの「甲子園応援曲」が炎上…浮き彫りになった“日本の音楽シーンが抱える課題”
「音楽の質は上がらず、数だけが増えた」現状
ビジュアルやキャラの先行が悪いと言っているのではありません。けれども、そこに中身をつめこむ作業がおろそかになっている。これは「ねぐせ。」そのものよりも、日本の音楽産業自体に関わる問題なのかもしれません。 こうした状況を危惧していたのが、昭和の大作曲家、浜口庫之助(1917-1990 代表曲に「愛して愛して愛しちゃったのよ」、「星のフラメンコ」、「夜霧よ今夜も有難う」、「人生いろいろ」など)です。自伝的エッセイ『ハマクラの音楽いろいろ』(立東舎文庫 2016年 オリジナルは1991年朝日新聞社出版)の中で、“音楽産業が大きくなり、裾野は広がったけれども、だからといって頂点が高くなったわけではない”と書いているのです。 売上は増えてより身近にはなったけれども、音楽の質は上がらず、数だけが増えた。本物のプロフェッショナルは絶滅の危機に瀕して、粗製乱造になってしまった、と言っているのですね。 90年代のCDバブルほどではありませんが、いまも日本のマーケットは世界2位の規模を誇ります。新曲、新人アーティストのデビューは途切れることなく、最近では音楽番組の復権なんて声も聞かれます。 しかしながら、そこから5年後でも覚えていられるような曲はいくつ生まれたのか。それは3週間ごとに入れ替わる駅ビルのスイーツ店のポップアップみたいなものになっていないだろうか。夏の高校野球応援ソングとして、
— ねぐせ。 (@neguseofficial_) May 13, 2024
書き下ろしさせていただきました。
戦う人の背中を押す、苦しみや不安があろうと結果的にこの曲を聴いた方がポジティブな気持ちになれるよう制作しました。
スポーツをやる上では、必ずしも楽しいことばかりではないと思います。… pic.twitter.com/SokdcIZ9AX
「知識の蓄積を共有できていない」問題も
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