仕事

辞めていく銀行員に共通する退職理由3選。上司から「どうせ旦那の稼ぎがあるだろう?」

②昭和の体質を引きずる、非効率的な業務にうんざり

非効率にうんざりビジネスカジュアルやリモートワークなど新しい制度を積極的に取り入れようとしている銀行だが、旧態依然とした態度の行員も多い。上司がそのような性格だと、部下は割を食うことになる。特に柔軟な働き方を求める子育て中の女性行員と、彼らの相性は最悪だ。 入社10年目で銀行を去ったBさんは、二児の母であった。 「銀行はサテライトオフィスを導入していて、どこでも仕事ができるようになっています。でも上司は『どうしても顔を合わせて話したいことがあるから、俺のいる場所に来い』と言って、家から1時間かかるコワーキングスペースに呼び出されたこともありました」 会議は絶対にリモートじゃなく対面で、というこだわりも上司にはあったそうだ。 「そもそも家から支店までは、片道90分近くかかるんですよ。上の子は小学校で、下の子は保育園。それぞれお迎えの場所も違うので、移動時間はなるべく減らしたいんです」 そのことを上司に話したら「移動時間中に業界研究をすれば良いだろう。有効活用しろよ」と言われたそうだ。 「上司にもお子さんはいますが、奥さんは専業主婦。子育てをしたことがないから、分からないんでしょうね」 他にも電子で申請できるものも紙で印刷して提出、というペーパーレス時代に逆行するようなこだわりもあるとのこと。しかしBさんが最もうんざりさせられたのは、別の要因だった。

「どうせ旦那の稼ぎがあるだろう」と人事部へ推薦されず

入社10年目だが、Bさんの役職は平社員のまま。二度の産休・育休を取得しているから仕方ないと思いつつも、やはり思うところはあるらしい。 「役付者になりたいと上司に話したら、『でも、Bさんはどうせ旦那の稼ぎがあるだろう? 俺なんて一馬力だぞ』と言われました。話していくうちに、女性だから出世しなくても良いと思われていることが分かったんです」 昇格には上司から人事部への推薦がマストだ。Bさんが今の上司の元で働いていても、いつまでも上に行けないことは明らかだった。 Bさんは銀行を退職して、大学院に入った。年齢的にマネジメント経験がないと転職は難しかったとのことで、専門資格を身につけようと奮闘中だ。
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家を買った直後に…
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ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

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