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“違法な攻略法”で稼いだ50歳元パチプロの「その後の人生」。ブラック企業に就職した結果…

表ネタの攻略法でしのぐ

パチスロ しかし、蛇の道は蛇。ヤマちゃんはそのスジのネットワークからなのか、さまざまな攻略法を知っており、大場さんと組んで表ネタの攻略法を使ったこともあったと話す。 「ヤマちゃんはとにかくネタをたくさん持ってて、いろんな“表ネタの攻略法”を一緒にやりましたね。表ネタってのは、セット打法のような仕込みではなく、バグとかプログラムや配列のミスを突いた攻略法のことです。セット打法よりも表ネタの攻略法を一緒にやった思い出のほうが記憶に残ってます。しかもネタが早いんですよ。導入前の台の情報もいくつかあって、なんで知ってんの?って驚いたことは一度や二度じゃありません」  こうして10代後半から20代にかけて、大場さんはドップリとスロットにハマッた青春を過ごしたのである。

セット打法では出禁にならなかったが……

 こうしたプロ行為を続けることで、店を出禁になったこともあったようだ。 「セット打法じゃ追い出されたことはなかったけど、攻略法を使って追い出されたことは何度かありますね(苦笑)。一番、思い出に残っているのは岡崎産業のコアっていう台。変則押しすることで複合で小役を取ることができたんです。完全にメーカーがリール配列をミスしてたんですよね。このネタをヤマちゃんは導入前からなぜか知っていて、2人で設置店探して連日朝から抜きまくりました。 でも、3日目に行ったら台に座る前に店員から声を掛けられて裏に連行されて、『なんかやってますよね?』って。そしたらヤマちゃんは『はい、やってます!』って即答したんですよ(笑)。あれはビックリしましたね。普通、隠すじゃないですか。でも、ヤマちゃんのすごいのは、『手順を教えるから、今日だけは打たせてくれませんか?』って交渉し始めたんですよ。まだ、その時点では攻略法はほとんど出回ってなかったんで、店長も考え込んで、『じゃあ、今日だけはいいけど、もう二度と来ないでくれ』って。でも、こんなのはレアケースで、だいたいは問答無用で追い出されましたね」
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パチプロ引退後の就職先は…
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グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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