更新日:2024年08月20日 15:05
ライフ

「24時間、真っ暗な部屋から出られない」“眼球使用困難症”を患った50歳男性の告白。公的支援も受けられない

Zoomでの交流が“唯一の外部との交流”

矢野さん

こちらのルームのURLは、Xなどで発信している。新しい人が入ると、矢野さんが「今どのような人がルームにいるか」を簡単に説明してくれるため、初めての人でも気軽に入ることが可能

 そのほか、音声で交流するためのルーム「やのZOOM」を可能な限り開放。Xや所属するオンラインコミュニティでURLを投稿し、そこに訪れた人とざっくばらんに交流している。過去には、お笑い芸人のねづっち氏や、チャンス大城氏も入室したことがあるようだ。  もちろん、矢野さんと会ったことのない人が入室することも可能。矢野さんは、「たまにYouTubeや、メディアへの出演をみて、『初めてなんですけど』って来てくれる人がいるんです。いつものメンバーが来てくれるのも嬉しいですが、初めての人が来てくれると、めちゃくちゃうれしいですね」と話した。

SNSが「命を繋ぐ生命線」

 まったく外出することができないため、基本的に直接会うのは妻の久美子さんのみ。そのため、Zoom上で声を通じた交流を行うことが、精神的な支えとしても大きいのだという。 「Zoomがあって、そこに来てくれる人がいることで、外の世界の人たちと繋がることができます。ここでの交流が外の世界の人と交流できる唯一の手段と言っても過言ではありません。来てくれる人がいることもありがたいですし、SNS媒体が増え、さまざまな発信ができる世の中になったことも本当によかったと思っています」
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顔が見えないからこそ、話せる・聞けることがある
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フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中
X(旧Twitter):@kawase_syota

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