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ラーメン店「過去最多の廃業」の中、大阪発“異端”ラーメンチェーンが逆境下でもファンに支持されるワケ

行列ができると話題の「人類みな麺類」

 フランチャイズ契約資料によると、店の雰囲気も、女性にも支持される、こだわりの店舗デザインを目指しているという。集客力を強化するには、女性一人でも入りやすく居心地良く、男女問わず高い評価の内外装デザインが必要だ。女性は食事の様子を他人に見られなくないという人も多いため、それを考慮した店づくりになっている。  UNCHI株式会社は関西No.1繁盛ラーメン店を標榜し、月商2400万円の人類みな麺類を中心に複数のヒットラーメン店を続々と生み出し、食べログ百名店6年連続、コンビニカップ麺が発売されるほどで、全国的な人気・知名度を有している。  その成功の再現性をパッケージ化している。未経験の個人加盟店が儲けられるようなフランチャイズシステムを確立して、勢力拡大を図っているのだ。  現在では「醤油・塩・味噌・豚骨」4業態をリリースし、物件ごとに地域市場に合致した最適な業態で出店している。人類みな麺類本店は、新大阪近くに立地し、 売上2400万円、営業利益600万円、営業利益率25%と驚異の収益力を誇っている。店は30坪、35席で、最大150mの大行列になることも多いそうだ。  競合店の状況や客層、立地などの実態から「最も勝ちやすい」業態で出店し、競争優位を勝ち取るという。物件に合わせてあとから味を決められるので 物件が見つけやすいメリットもある。SNS/グルメサイト/口コミを中心に情報を拡散しやすくしており、集客力を強化している。

フランチャイズに加盟するのもテ

人類みな麺類

夜中にもかかわらず行列だった「ラーメン大戦争」

 今年6月にも大阪市内で「生わんたんらぁめん専門店 赤黄緑」を新ブランドとしてオープンして話題を集めている。人類みな麺類と高級生食パン専門店「乃が美」の創業者のノウハウを融合させたラーメンで、UNCHI株式会社の系列店だ。  同社は、ほかにも「くそオヤジ最後のひとふり」「世界一暇なラーメン屋」「ラーメン大戦争」といった独自のネーミングで既成概念にとらわれないラーメン店を展開している。こうした新たな発想で話題性に富んだ姿勢が絶対的なファンに支持されているようだ。  自己資本が十分でなく、借入金も活用しないと開業できない。しかし、ラーメン店をやりたい人は意外と多いのではないかと思う。そんななかで経営基盤が盤石なフランチャイズ本部に加盟するのは魅力的に映るに違いない。こうした需要を見事にキャッチしているUNCHI株式会社は、今後も勢力を拡大するのではないだろうか。 <TEXT/中村清志>
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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