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特殊清掃人が語る“自殺した部屋”に共通している特徴。オカルト的な出来事に遭遇することも

自殺現場にはパターンがある

自殺現場② 自殺者数は年々減少傾向にあるはずなのだが、自殺現場の依頼が増えてきているため、鈴木さんの体感としては「自殺者数は増えているようにも感じる」と言う。 「この人はなぜ自死を選んだのだろうかと毎回考えます。仕事を探しているような求人のパンフレットがある家だと失業してつらくなったんだろうなと。こういう真面目な人は部屋がきちんと片付けられていることが多いです。だんだんと、自殺現場のパターンがわかってくるんですよ」  自殺者には精神世界に傾倒するタイプの人間も多いそうだ。 「壁にも怪しげなポスターが貼ってあって、パソコンの上に『マリファナを合法化せよ』と手書きのメモが書いてある部屋はなかなかでしたね。おそらく何か違法薬物を摂取して自殺したんだろうと思うのですが……。もしかしたら死ぬ気がなかったけれども誤ってオーバードーズをしてしまった可能性もありますね。並んでいる本も精神世界系が多く、この人は自ら次の次元へと旅立って行ったのだろうと思いました」

独特の張りつめた空気感

 数々の自殺現場を清掃する中、共通して抱く違和感のようなものがあるという。 「その部屋の空気の流れとかありますよね。でも自殺現場に入ると、空気の流れがまったくないんですよ。重たいというか、音がまったくしなくてシーンとしている。普通は何かしらの雑音が聞こえると思うのですが。  あ、でもこの感覚は自殺現場に限らずかもしれません。人が亡くなった後の部屋には何か独特の張りつめた空気があるんです。僕は霊感的なものはまったくないのですが、入った瞬間、体が重く感じることはあります」  自殺現場を清掃する中で、オカルト的な不思議な出来事に遭遇することも。 「自殺現場に行った時にパソコンの電気がついていたので、何が映っているか見ようと近寄って行ったんですよ。デスクトップの壁紙は某人気アイドルでした。その後、部屋の寸法などを測っていたら、ノートパソコンがパタっと閉じたんです。  気圧や風のせいかなとかも思ったんですが、今思うとおかしいですね。換気扇も回してないし、ドアも閉めたままなので風で閉まるわけがない。他の現場ですが、誰もいないトイレからノックが聞こえてきたこともありました」  自殺現場も、十人十色ということか。 <取材・文/山崎尚哉>
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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