夏場になると「孤独死現場の依頼が増える」理由とは?特殊清掃人が語る壮絶な仕事
超高齢社会に突入し、日々孤独死が増えていっている。2023年の警視庁のデータによると、年間約6.8万人は自宅で孤独死を迎えることになるという。
孤独死現場を清掃する時に心がけていることは、近隣にここで人が孤独死したという事実を悟られないようにすることだ。
「人が死んでしばらく経った現場だと、感染症対策やニオイ対策で防護服を着るのですが、その姿で外には絶対に出ないようにしています。見た目が特徴的なので、誰かに見つかると、ああここで人が死んだんだなと悟られてしまう。なので、先に消臭や腐乱場所の清掃など、防護服を着てやる清掃作業を終わらせて、遺品整理の時には外にいろいろ運ぶことも多いので、防護服を脱ぐように心がけてます。
依頼主や物件の持ち主が1番嫌がることって『あそこは事故物件だ』という噂が不必要に流れてしまうことです。不動産価値も下がりますし、事故物件公示サイトにのるのを避けたいと言う声が多いです」
依頼主が不動産オーナーの場合は完全に隠密でやってくれという指示があることも多い。孤独死の現場だけで1日に来る見積もり依頼の件数は平均3〜4件、多い時で7〜8件になるという。
「夏場になると特に依頼が増えます。死亡者数のグラフを見ていると、夏場に死亡者数が増えているわけではないですが、冬の場合は死体が腐敗しにくく発見が遅れます。夏場は共用部分など、すぐ外にニオイが漏れてくるので、発見されやすいということですね」
都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに孤独死後の特殊清掃作業について話を聞いた。
防護服の姿のまま外に絶対出ない
夏はニオイが漏れるので発見されやすい
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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